アミメカゲロウ目(アミメカゲロウもく、Neuroptera)は昆虫綱有翅亜綱の目の一つ。脈翅目(みゃくしもく)ともいう。 脈翅上目 (Neuropterida) とすることもある。その場合、アミメカゲロウ目(脈翅目、Neuroptera)はその中の1目の目名になる。しかしここでは、広義のアミメカゲロウ目( = 脈翅上目)について述べる。
完全変態で、肉食のものが多い。
細長い体に大きな柔らかい翅を持ち、歩脚はあまり発達しない。トンボやカゲロウに似ていることからその名を持つものが多いが、これら原始的な不完全変態の昆虫とは系統的には大きく異なる。
咀嚼口式で、通常触角は糸状または数珠状である。体はトンボのような構造をとるものが多いが、ヒメカゲロウのように胸部が大きいものもある。翅脈は網目状の構造をとることもある。外部生殖器が発達しているものもしばしば見られる。腹部はすべての種で十環節からなり、おもに円筒形である。多くの種で前翅と後翅が同形、または前翅の方が大きい。トンボやカゲロウとは異なり、翅を前後重ねて背面に屋根状に畳むことが出来る。
卵は多様な構造をとり、クサカゲロウやカマキリモドキなどでは長い糸状の柄の上に卵を付着させ、憂曇華(うどんげ)と呼ばれる。
幼虫は陸生のものが多いが淡水産のものもある。形状はシミに似ており、全体に柔らかな体をしている。胸部には三対の歩脚があり、腹部末端に吸着器を持って運動に寄与するものもあるが、腹部には歩脚はない。水生のものには気管腮がある。多くは肉食性で、ウスバカゲロウの幼虫アリジゴクなどは発達した大腮で小昆虫などを捕え、小腮で体液を吸う。蛹化の際は繭を作るものが多い。
シリアゲムシ目と並び、完全変態を行う昆虫の中では原始的な特徴を多く残す。鞘翅目及びネジレバネ目との共通祖先から進化したと考えられている[1]。
広義のアミメカゲロウ目は3つのグループに分けられる。
それらを亜目とするか目とするか、またそれらより下の分類には異論もある。
この場合、Planipenniaを目名として使う(扁翅目)より、Neuropteraを目名として残すことが多い。