ハキダメギク(掃溜菊、学名:Galinsoga quadriradiata)は、キク科コゴメギク属の一年生植物。道ばたや庭などに生える雑草。牧野富太郎が世田谷の掃き溜めで発見したのでこの名前がついた。
茎は分岐を繰り返し、高さ20 - 60cm程度になる。草全体が柔らかい草質をしている[2]。枝葉ともに白い毛が生える[2]。
葉は対生し、卵形。縁は浅い鋸歯を持つ[3]。大型の葉は柄を有し、暗緑色で厚みは薄く、3行脈状にみえる[2]。葉の表面と裏面共に毛が多い[3]。
夏から秋の6 - 11月にかけて、頂部に小さな花を咲かせたあと、急に葉腋から岐散状に盛んに分枝を繰り返し、各枝の先に小さな頭花をつける[2]。頭花は直径5mm程度。5枚前後の先端が3中裂する短い白色の舌状花があり、および多数の黄色の筒状花からなる[2]。舌状花も筒状花も同形の冠毛をもっており、冠毛の縁が毛のように裂けて、先端がするどく尖っている[2]。
果実は痩果(そうか)で、黒く熟する[3]。鱗片状の冠毛で風に乗って種子が散布される[3]。
コゴメギク(英語版)によく似ていてしばしば混同されている[4]が、舌状花に冠毛があること、筒状花の冠毛の先が細くなり両側の毛が長くならない点で区別できる[5]。
熱帯アメリカ原産。南アメリカやヨーロッパ、アフリカ、アジア(日本を含む)に移入分布する[5]。日本では明治時代の初期に渡来したといわれ[3]、1920 - 1930年代に報告され始めた。現在では全国に帰化植物として定着しており[5]、都会地の道端や空き地などに広がりつつある[3]。