(画)トーマス・ムーア
『イギリスとアイルランドのシダ』から
約200種。本文参照。
ホウライシダ属 (Adiantum) は、シダ植物門ホウライシダ科の一群で、細く硬い軸と、葉が巻き込んだような包膜が特徴である。一部は観葉植物として栽培されている。
普通は根茎はやや横に這い、多数の葉をつける。葉は普通は羽状複葉であるが、一部には特殊な型のものや単葉のものも知られる。軸は細くて硬く、針金のようで、黒か褐色に色づき、つやがある。小葉は薄く、外側の縁が裏側にめくれるようになって、それに覆われるようにその下に胞子のう群がつく。ただし、ワラビなどのように縁に沿って長く続くことはなく、個々の胞子嚢群は半円形等、短くしかならない。一つの小葉に複数の胞子嚢群をつける場合は、個々には半円形のものが葉の縁に数珠繋ぎに並ぶ。
観賞価値の高いものが多くあり、観葉植物として栽培される。日本産のものではホウライシダがよく栽培され、時に栽培逸出のものが自生状態で発見される。また、クジャクシダはむしろ山野草として栽培される。ほかに、ハコネシダも観賞価値の高いものとして有名であるが、栽培はとても難しい。
国外のものでは、
などがよく栽培される。特にA. radiatum は複数の園芸品種がある。
この属のものは世界の熱帯から暖帯にかけて約200種ある。日本には以下の8種が知られている。