多足類(たそくるい)は、節足動物門多足亜門に属する動物の総称。日本では多足類は系統的に側分類群と考えられ、唇脚類(ムカデ綱)、結合類(コムカデ綱)、少脚類(エダヒゲムシ綱)、倍脚類(ヤスデ綱)を便宜的に結びつけた通称とする説が支持されていた。近年は他国と同様にこの4者に系統関係を認める説が有力となっている[1]。
体は頭部と胴部に分かれる。頭部には一対の触角があり、顎を持つ。胴体は細長く、多数の体節に分かれ、原則としてそのすべてから同型の歩脚が出ている。このような同規体節制は節足動物など体節制を持つ動物においては祖先的特徴と考えられているが、実際にそのような形を示す節足動物での代表的な群である。他のほとんどの群では胸部と腹部、あるいは前体部と後体部などを区別し、それぞれ異なった形態の付属肢を持つのが通例であり、類似の例は海底洞窟に産する甲殻類のムカデエビ類がある程度である。
それ以外の特徴については群によって異なる。生殖口は腹面の前半部に開くものや尾端にあるものなどがあり、様々である。最後尾の体節はそれぞれである。また、現生のすべてが陸上生活で、淡水産のものもほとんどなく、真の海産種はない。
特別な幼生の段階はなく、明確な変態は見られないが、成長につれて体節と歩脚が増える例が多い。ムカデ綱の整形類(オオムカデ目、ジムカデ目)では卵中にて変態が完了し、自由生活のステージにおいては増節変態はみられない。そのような変態過程に3対の歩脚をもったステージが散見し、昆虫と類縁関係があるものと考えられたこともある。
ムカデ綱とヤスデ綱には大型種が含まれるが、エダヒゲムシ綱とコムカデ綱に属する生物は小型種である。小型のものは、土壌動物として生活するものが多い。
カンブリア紀中期の海生堆積層から発見されたメリストソマ科の化石は多足類とよく似た体制を呈している。シルル紀中期後半の地層からヤスデ綱の3属がヘザー・ウィルソンにより記載された。動物として陸上生活を行った最初期の化石記録として知られている。最初の陸生肉食動物としてもゲジ類が有力候補である。
多足類(たそくるい)は、節足動物門多足亜門に属する動物の総称。日本では多足類は系統的に側分類群と考えられ、唇脚類(ムカデ綱)、結合類(コムカデ綱)、少脚類(エダヒゲムシ綱)、倍脚類(ヤスデ綱)を便宜的に結びつけた通称とする説が支持されていた。近年は他国と同様にこの4者に系統関係を認める説が有力となっている。