コメツキムシ(米搗虫)は、昆虫綱コウチュウ目に属するコメツキムシ科に属する昆虫の総称である。和名をコメツキムシとする種はない。
仰向けにすると、自ら跳ねて元に戻る能力がある小型甲虫。米をつく動作に似ていることからこの名前がある。
比較的硬い体の甲虫。外見的にはタマムシ類にも似ている。体型としては幅が狭く、縦長で腹背にやや扁平。小さい方は1mmほどのものから8cmに達するものまであり、日本ではウバタマコメツキやヒゲコメツキなどが3cm程度になるのが大きい方である。
頭部はまっすぐ前を向き、口器は小さいがしっかりした噛む口となっている。触角は先細りの単純な形のものが多い。中には節ごとに突き出して鋸歯状や羽状になった例もあり、日本ではヒゲコメツキが立派な触角を持つことで有名。
胸部と腹部は幅広くつながる。前翅は後方に狭まる。体色は全体に単純で地味なものが多く、黒から褐色のものが多い。しかし熱帯では金属光沢を持っているものもあり、日本では八重山諸島に産するヨツモンオオアオコメツキなどはその例である。また多様な色や斑文を持つものもある。日本ではベニコメツキが真っ赤な前翅を持つのでよく目立つ。
コメツキムシには普段は草や低木の上などに住む種が多い。石の下に住むものもいる。天敵に見つかると足をすくめて偽死行動をとる(世に言う「死んだふり」)。その状態で、平らな場所で仰向けにしておくと跳びはね、腹を下にした姿勢に戻ることができる。(胸-腹の関節を曲げ、胸を地面にたたきつけると誤解されるが、頭-胸を振り上げている。地面に置かず手に持つことで確認できる。(昆虫の構造については昆虫へ))この時はっきりとパチンという音を立てる。英語名のClick beetleはクリック音を出す甲虫を意味する。
天敵などの攻撃を受けてすぐに飛び跳ねる場合もある。これは音と飛び跳ねることによって威嚇していると考えられている。この行動をとらないコメツキムシ科の種も存在する。
幼虫の多くは土壌性で、細長い円筒形で硬く、光沢のある茶色をしているものが多い。腐食質を食べるものや、他の虫を食べるものがいる。栽培植物の根や地下茎などを食害する種もおり、農業や園芸関係では一般に「ハリガネムシ」と呼んで防除の対象にしている。大根やジャガイモなどの害虫として知られるマルクビクシコメツキ、クロクシコメツキ、クシコメツキ、トビイロムナボソコメツキ、コガネコメツキ等の幼虫がこれにあたる。標準的な日本語でハリガネムシと呼ばれているのは、類線形動物門に属しコメツキムシと全く異なる生物である。
中南米には胸部と腹部が発光する“ヒカリコメツキ”が生息している。
日本で約600種、世界で10000種が知られる。一部を記した。なお、種名など、科以下の分類群名はコメツキムシの前に様々な修飾がつくが、コメツキムシの「ムシ」は省略して記するのが普通。
コメツキムシ(米搗虫)は、昆虫綱コウチュウ目に属するコメツキムシ科に属する昆虫の総称である。和名をコメツキムシとする種はない。
仰向けにすると、自ら跳ねて元に戻る能力がある小型甲虫。米をつく動作に似ていることからこの名前がある。