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アジアゾウ ( Japanese )

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アジアゾウ アジアゾウ
アジアゾウ Elephas maximus
保全状況評価[1][2] ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 EN.svgワシントン条約附属書I 分類 : 動物界 Animalia : 脊索動物門 Chordata 亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata : 哺乳綱 Mammalia : 長鼻目 Proboscidea : ゾウ科 Elephantidae : アジアゾウ属 Elephas : アジアゾウ E. maximus 学名 Elephas maximus Linnaeus, 1758[3][4] シノニム

Elephas asiaticus Blumenbach, 1797[4]
Elephas indicus Cuvier, 1798[4]
Elephas gigas Perry, 1811[4]
Elephas sumatranus Temminck, 1847[4]

和名 アジアゾウ[5][6] 英名 Asian elephant[3][4]

分布域

動画:アジアゾウ
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アジアゾウの調教
画像はゾウの調教を専門的に行うタイの施設で運搬のスキル等を教え込んでいる様子。

アジアゾウElephas maximus)は、長鼻目ゾウ科アジアゾウ属に分類されるゾウ。現生するゾウ目(長鼻目)3種のうちの1種(他はアフリカゾウマルミミゾウ)。11前後のの存在が知られているアジアゾウ属であるが[要出典]、現生種はアジアゾウ1のみである(2013年の知見)。アジアゾウ属の模式種[4]。長生きで知能が高い。

分布[編集]

インド北東部・北西部・中部・南部、インドネシアスマトラ島ボルネオ島)、カンボジアモンドルキリ州からラタナキリ州にかけての山地南西部)、スリランカタイ王国中華人民共和国雲南省のLincang・Simao・Xishuangbanna)、ネパールバングラデシュ南東部(チッタゴン丘陵地帯)、マレーシア(マレー半島、サバ州)、ミャンマー(東部<シャン州>・Pegu<ベトナム中部>・Tenasserim<ベトナム南部>山脈、北部・西部丘陵地帯)、ラオス[2]。パキスタンでは絶滅[2]

模式標本の産地(基準産地・タイプ産地・模式産地)はスリランカ[3][4]。以前は中国北部や西アジア(メソポタミア地方)まで分布していた[5]

形態[編集]

体長5.5 - 6.5メートル[4]。尾長1.2 - 1.5メートル[4][6]。体高2.5 - 3.2メートル[6]。最大体重6,700キログラム(オス平均5,400キログラム、メス平均2,720キログラム)[6]。背中が丸く、最も高い位置にある[5][6]

鼻の皺はあまり隆起しない[6]。鼻の先端には突起が上部に1つだけある[5]。耳介は小型[6]。前肢の蹄は5本、後肢の蹄は4本[5][6]。肋骨は最大20対、尾椎は最大34個[4]

アフリカゾウ、マルミミゾウとは異なり、頭には2つのコブがある。

出産直後の幼獣は体重50 - 150キログラム[6]。メスは上顎の門歯(牙)が口外に出ない[5][6]。 オスでも多くの個体(約90 %)で牙が口外に出ない[5]

分類[編集]

Shoshani & Eisenberg(1982)、Shoshani(2005)では基亜種・亜種インドゾウ・亜種スマトラゾウの3亜種のみを認め[2][4]、亜種マレーゾウE. m. hirsutusや亜種E. m. borneensisは亜種インドゾウのシノニムとしている[3]。和名・英名はBarnes 犬塚訳(1986)に従う[5]

以下の和名・英名はBarnes 犬塚訳(1986)に従う[5]

スリランカ[2]
体重2,000 - 5,500キログラム[7]。耳介はもっとも大型[7]。体色は亜種内では暗色[7]。肋骨が19対[7]
体重2,000 - 5,000キログラム[7]。肋骨が19対[4][7]
個体数と棲息域の広さは現生アジアゾウで最大。中国南部に棲息するグループには別亜種と見なす説まであるが、調査は進まず、情報量は乏しい[要出典]
スマトラ島[2]
体重2,000 - 4,000キログラム[7]。体色は亜種内では明色[7]。肋骨が20対[4][7]
  • Elephas maximus asurus(絶滅亜種)[2]
  • Elephas maximus rubridens(絶滅亜種)[2]

生態[編集]

主に森林に生息する[5][6]。食物を求めて放浪するが、近年では生息地の破壊により季節的な移動でも30 - 40キロメートルに限られる[5][6]。メスと幼獣からなる群れを形成し、群れに発情したメスがいる場合はオスも加わる[6]

食性は植物食で、主にを食べるが木の枝、、樹皮、根、種子果実なども食べる[6]

繁殖様式は胎生。5 - 8年(食物が豊富な場合は2 - 4年)に1回繁殖する[6]。妊娠期間は615 - 668日[6]。1回に1頭の幼獣を産む[6]。授乳期間は2年[6]。メスは生後9年で性成熟した例もあるが、生後17 - 18年で初産を迎える個体が多い[6]。寿命は60 - 80年と考えられている[6]

人間との関係[編集]

神話などにも登場し、現在でも地域によっては白変個体が神聖化されたり宗教的儀式において利用されることもある[5][6]

中国では約4,000年前から記録が残り、漢字の「象」は甲骨文字の実際のゾウの姿の象形からきた[8]。約4,000年前から牙が象牙細工の原料として珍重されている[6]。中国では骨灰が漢方薬になると信じられている[6]。約5500年前にはインダス川流域で運搬などに使役された[5]。約3,000年前から戦争の道具として利用されることもあった[5][6]

農地を荒らす害獣とみなされ、インド・スリランカなどではしばしば野生のゾウが集落を襲い死者も出ている[6][9]

森林伐採・開墾による生息地の破壊、牙用や薬用、使役用の乱獲などにより生息数は減少している[5][6]1995年における生息数は35,490 - 49,985頭と推定されている[6]

E. m. sumatranus スマトラゾウ
CRITICALLY ENDANGERED (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))[2]
Status iucn3.1 CR.svg

整地での運搬労働力として、現代でも重機の代用として有用であり、東南アジア地域の震災復興において重機の代わりに派遣された。[要出典]

繁殖[編集]

ヨーロッパ動物園及びサーカスにおいて、1902年1992年の90年間に121頭が誕生、内34頭は1982年~1992年の10年間に誕生している。内48頭は、早産又は母親が原因となった事故等で死亡している[10]

北米の動物園では、1880年1996年の116年間で104頭が誕生、内34頭が1年以内に死亡している[10]

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世界的に、人工飼育下での出産率は0.7%程度と言われている[10]。内、日本で繁殖した例は以下のとおり。

出生日 出生場所 性別 名前 父母 備考 2004年3月2日 神戸市立王子動物園 メス モモ マック/ズゼ 2005年4月25日死亡。 2007年5月3日 市原ぞうの国 メス ゆめ花(ユメカ) テリー/プーリー 2007年10月21日 神戸市立王子動物園 オス オウジ マック/ズゼ 2012年4月7日死亡。 2011年9月17日 豊橋総合動植物公園 メス マーラ ダーナ/アーシャー 2017年8月13日死亡。 2012年10月14日 富士サファリパーク メス ガーム[11] 2013年1月29日 東山動植物園 メス さくら[12] コサラ/アヌラ 2013年5月26日[13] 九州自然動物公園アフリカンサファリ オス チョイ
(サワッディチョイ)[14] 2013年9月3日[15] 市原ぞうの国 メス りり香(リリカ)[16] テリー/プーリー 2014年6月12日[17] 市原ぞうの国 オス 結希(ゆうき) マック/ズゼ 神戸市立王子動物園帰属。 2015年3月4日[18] 沖縄こどもの国 メス 琉美(るび) 琉人(りゅうと)/琉花(りゅうか) 2018年1月22日死亡。 2016年10月27日[19] 市原ぞうの国 オス ラージャ元気(げんき) ダーナ/アーシャー 豊橋総合動植物公園帰属。2017年12月14日死亡。

また、海外では人工授精での繁殖に成功している。1975年頃から試みが始まり、1999年11月26日アメリカのディッカーソンパーク動物園で初めて出産に成功した。新生児の体重は171kgで、それまでの新生児の中では最大であった[10]

その後、アメリカ、オーストラリア[20]イギリスチェコイスラエルドイツ、タイ[21]で成功例があり、現在では25例以上の実績がある[10]

繁殖の切り札として期待は大きいが、発情期を特定し、オスからの採精やメスに人工授精するための訓練を必要とするなど、課題も多い[10]

出典[編集]

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  1. ^ Appendices I, II and III<http://www.cites.org/>(accessed[リンク切れ] November 16, 2016)
  2. ^ a b c d e f g h i Choudhury, A., Lahiri Choudhury, D.K., Desai, A., Duckworth, J.W., Easa, P.S., Johnsingh, A.J.T., Fernando, P., Hedges, S., Gunawardena, M., Kurt, F., Karanth, U., Lister, A., Menon, V., Riddle, H., Rübel, A. & Wikramanayake, E. (IUCN SSC Asian Elephant Specialist Group). 2008. Elephas maximus. The IUCN Red List of Threatened Species 2008: e.T7140A12828813. http://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2008.RLTS.T7140A12828813.en. Downloaded on 16 November 2016.
    Gopala, A., Hadian, O., Sunarto, ., Sitompul, A., Williams, A., Leimgruber, P., Chambliss, S.E. & Gunaryadi, D. 2011. Elephas maximus ssp. sumatranus. The IUCN Red List of Threatened Species 2011: e.T199856A9129626. http://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2011-2.RLTS.T199856A9129626.en. Downloaded on 16 November 2016.
  3. ^ a b c d Jeheskel Shoshani, "Elephas," Mammal Species of the World, (3rd ed.), Volume 1, Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Johns Hopkins University Press, 2005, Page 90.
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n Jeheskel Shoshani & John F. Eisenberg, "Elephas maximus," Mammalian Species, Number 182, American Society of Mammalogists, 1982, Pages 1-8.
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o Richard F. W. Barnes 「ゾウ」犬塚則久訳『動物大百科 4 大型草食獣』今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編、平凡社1986年、8-16頁。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa 小原秀雄 「アジアゾウ」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ4 インド、インドシナ』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社2000年、30-36、149-150頁。
  7. ^ a b c d e f g h i Jeheskel Shoshani, "Taxonomy, Classification, and Evolution of Elephants," Biology, medicine, and surgery of elephants, Murray E. Fowler, Susan K. Mikota, (ed.), Blackwell Publishing, 2006, Pages 3–14.
  8. ^ 漢字 生い立ちとその背景 白川静
  9. ^ 村人襲う野生ゾウ、衝撃的瞬間を撮影 AFP(2016年4月13日)2017年6月24日閲覧
  10. ^ a b c d e f CCRI発行 動物園【真】定番シリーズ ゾウ - 写真/図鑑/データブック
  11. ^ アジアゾウの成長記録 | 富士サファリパーク Archived 2013年5月12日, at the Wayback Machine.
  12. ^ アジアゾウの赤ちゃんの愛称『さくら』に決定|東山動植物園 Archived 2016年3月5日, at the Wayback Machine.
  13. ^ 【大分】大きくなるゾウ 九州初 アジアゾウ 出産 宇佐 - 西日本新聞 Archived 2013年7月14日, at the Wayback Machine.
  14. ^ 赤ちゃんゾウ、19日から公開 : いきもの : 自然・環境 : 九州発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)2013年10月18日 Archived 2014年2月9日, at Archive.is
  15. ^ プーリーの赤ちゃん誕生しました☆ – 市原ぞうの国
  16. ^ お名前発表会 – 市原ぞうの国
  17. ^ 出産☆ – 市原ぞうの国
  18. ^ ゾウの琉花がママになりました。 - 沖縄こどもの国 - Okinawa Zoo & Museum
  19. ^ アジアゾウ「アーシャー」が出産しました – 豊橋総合動植物公園
  20. ^ オーストラリア初、人工授精で誕生のアジアゾウの赤ちゃんAFP,2010年2月11日
  21. ^ 2007年、タイ初の人工授精で誕生したアジアゾウ人間と象が織りなす世界,人民中国インターネット版,2009年1月14日

関連項目[編集]

 src= ウィキメディア・コモンズには、アジアゾウに関連するメディアがあります。  src= ウィキスピーシーズにアジアゾウに関する情報があります。 執筆の途中です この項目は、動物に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めていますPortal:生き物と自然プロジェクト:生物)。  title=
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アジアゾウ(Elephas maximus)は、長鼻目ゾウ科アジアゾウ属に分類されるゾウ。現生するゾウ目(長鼻目)3種のうちの1種(他はアフリカゾウマルミミゾウ)。11前後のの存在が知られているアジアゾウ属であるが[要出典]、現生種はアジアゾウ1のみである(2013年の知見)。アジアゾウ属の模式種。長生きで知能が高い。

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