オオミテングヤシ (学名: Mauritia flexuosa )は、南アメリカ大陸のアマゾン熱帯雨林気候における低湿地の沼地に群落がみられる[1]ヤシ科テングヤシ属の高木である。 成木は、幹の直径が約60cmほど[2]で、樹高は凡そ30-35mほどになる。
果実を食用、果汁から果実酒、髄はパンの代用に用いられる[3]。 繊維は漁網、ハンモック等綱として用いられる[3]。 葉は屋根葺き用、幹は建材に用いられる[3]。 その有用性から1980年代頃には乱獲が危惧されるようになってきた[2]。
果実よりとれる食用油には、トコフェロール、カロテン、オレイン酸のトリグリセリドであるトリオレインといった栄養素が含まれる[4]。 また葉からの抽出物を分析すると、タンニン、フラボノイド、カテキン、ステロイド、トリテルペン、サポニン、カプリン酸(デカン酸)、ラウリン酸(ドデカン酸)、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、フタル酸(1,2-ベンゼンジカルボン酸)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、リノール酸(オクタデカン酸、Ω-3脂肪酸)、リノレン酸(オクタデカトリエン酸、Ω-6脂肪酸)、シトロネロール、フィトール、テルペンといった成分が含まれており、健康食品や化粧品などの応用に有用な可能性がある[5]。