クーズー(Tragelaphus strepsiceros)は、哺乳綱ウシ目(偶蹄目)ウシ科ブッシュバック属に分類される偶蹄類。原語発音により近いクードゥー (kudu) との表記もみられる[1]。
体長オス190-250センチメートル、メス190-220センチメートル[3]。尾長37-48センチメートル[3]。肩高オス130-150センチメートル、メス120-140センチメートル[2]。体重オス190-315キログラム、メス180-215キログラム[3]。また頸部から背にかけて鬣状の体毛が伸長する[2][3]。眼の間に三日月状、頬に2-3個の白い斑紋が入る[2][3]。胴体に白い横縞が入る[2][3]。
オスは2回半捻れた角がある(角があるメスもまれにいる)[2]。角長100-180センチメートル[3]。また喉から頸部にかけて房状の体毛が伸長する[2][3]。
主に丘陵や山地にある石が多い藪地、疎林に生息するが、平地にも生息する[2][3]。ペアもしくは小規模な群れを形成し生活する[2]。
革はバッグなどに、角は楽器の材料などに使われ、ユダヤの角笛ショファーの主な原材料として用いられる(クーズー以外の角でもショファーの原材料になることはある)。南アフリカのサッカーファンが応援に吹き鳴らすことで有名になったブブゼラは、クーズーの角笛が起源とも言われている。現地では肉を食用にもするため、それらを目的にした密猟者が後を絶たない。
ジンバブエの国章のデザインには、2頭のクーズーが用いられている。2010 FIFAワールドカップ南アフリカ大会の記念コインにも、開催都市であるムプマランガ州の象徴としてクーズーが描かれている。
アメリカの刃物メーカー、コールドスチール(coldsteel)社の発売している折り畳みナイフの一つには、「Kudu」の商品名がつけられている。
アフリカでは極端に珍しい動物というわけではないが、日本の動物園では1頭も飼育されていないために、日本では知る人は少ない。