ルリカケス(瑠璃橿鳥[1]、Garrulus lidthi)は、スズメ目カラス科カケス属に分類される鳥類。
日本(奄美大島、加計呂麻島、請島)[1][2][3][4][5]固有種[6][a 2]。
徳之島では1920年に発見例があるが以後は確実な発見例が無い[1]。そのため飼育個体が脱走した可能性もある[a 2]。
全長38センチメートル、体重170-196グラム[1][2][3][5][6][a 2]。翼長15-18センチメートル[a 2]。頭部から頸部にかけての羽衣が紫がかった濃青色(瑠璃色)で[2][3][5][6][a 2]、和名の由来になっている[1]。額や喉の羽衣は黒く、喉に白い斑点が入る[6]。背と胸部から腹部にかけての羽衣は赤褐色[2][3][4][5][6][a 2]。尾羽や翼は濃青色で[2][3][5]、尾羽先端や風切羽先端は白い[6]。また尾羽に黒く細い横縞が入る[6][a 2]。
幼鳥は羽衣が褐色がかり、尾羽や翼の白色部がない[6]。
主にスダジイやタブノキからなる常緑広葉樹林に生息するが[5][a 2]、農耕地にも生息する[2][3][4][6]。非繁殖期には数羽から30羽の小規模な群れを形成し生活する[4]。
食性は雑食で、昆虫、クモ、爬虫類や両生類、鳥類の卵、果実、種子などを食べる[5][a 2]。地表でも樹上でも採食を行う[5][a 2]。種子の貯蔵を行い、それらの散布にも役立っているとされる。
繁殖形態は卵生。繁殖期にはペアで生活する。主に樹洞や幹の隙間、着生植物の茂中などに木の枝を用いた台座と、細い草や小枝などを組み合わせたお椀状の産座からなる巣を作る。岩の隙間、天井裏、巣箱にも営巣する[3][4]。2-5月に一腹に3-7個の卵を産む[4]。抱卵期間は約18日、巣立ちまでに25日前後[7]。
種小名lidthiはTheodoor Gerard van Lidth de Jeudeへの献名[1]。
鹿児島県奄美大島の方言でヒューシャやヒョウシャと呼ばれる[8]。1965年(昭和40年)に鹿児島県の県鳥に指定されている。
過去には羽毛目的や標本目的の乱獲、現在は開発による生息地の破壊、人為的に移入されたノネコやフイリマングースによる捕食などにより生息数は減少している[2][3][a 2]。
1921年に種として国の天然記念物に指定されている[3]。本種の主な生息域である湯湾岳は国の天然記念物「神谷・湯湾岳(天然保護区域)」及び国指定湯湾岳鳥獣保護区に指定されている。
しかしながら、2008年(平成20年)現在ルリカケスは上記の減少の要因に対する対策がとられ、自然林の回復やマングースの減少に伴い個体数が増加し、繁殖個体数は少なくとも1000個体と推定されている[9]。