キツネザル、ロリスなどが属している。サル目(霊長類)の中では、原始的なグループであり、キツネザル下目の一部を除くと夜行性の種が多い。
かつては、メガネザルを含めて、真猿亜目以外の霊長類全体を原猿亜目(げんえんあもく、Prosimii)に分類していた。
その後、メガネザルは実際は真猿に近いことが明らかになったため、霊長類は曲鼻猿亜目と直鼻猿亜目(真猿下目とメガネザル下目)に分けられるようになった。
原猿は現在の分類では曲鼻猿とメガネザルの総称と言うことになるが、正式な分類群としては使わない。しかし、一部には用語に混乱が見られ、曲鼻猿・原猿と直鼻猿・真猿の混用が見られる。
名前の「曲鼻」とは、鼻腔が屈曲して鼻孔が左右に離れて外側を向いていることを意味し、これは鼻腔がまっすぐで鼻孔が左右そろって前方ないし下方を向いている直鼻猿亜目との相違点である。
次のような、夜行性動物特有の特徴をそなえている。
形態的には、以下のようにサルの特徴と、サルになりきれない部分とが混在する。
直鼻猿亜目は、L-グロノラクトンオキシダーゼ(ビタミンC合成酵素)の活性が失われているためビタミンCを合成することができない。曲鼻猿亜目は、ビタミンC合成酵素の活性が失われていない。直鼻猿亜目と曲鼻猿亜目の分岐と同時期の6300万年前に直鼻猿亜目のこの酵素活性が失われている[1]。
原猿亜目の2下目のうち、キツネザル下目はすべてマダガスカル島および周辺の島々にのみ生息している。ロリス下目はサハラ以南のアフリカ、インド、スリランカ、および東南アジアに生息している。
アイアイ下目を置かず、アイアイ科をキツネザル下目アイアイ上科 (Daubentonioidea) アイアイ科とすることもある。
真猿下目を伝統的な分類と同じ亜目に格上げするために、この表全体の亜目をsemiorderなどに、下目を亜目に格上げすることがある。
なお英語では、キツネザル下目をlemur(リーマー)、ロリス下目のロリス科をloris(ロリス)、ガラゴ科をgalago(ガラゴ)と呼ぶ。