コアジサシ(小鯵刺、学名:Sterna albifrons)は、チドリ目カモメ科に分類される鳥。
全長は24 cm[4]、ツグミやヒヨドリと同じくらいの大きさでアジサシよりも小さい。翼開長は約53 cm[4]。翼と尾羽がツバメのように細くとがっていて、嘴もまっすぐのびる。
夏羽では頭は黒く、額、のど、腹が白、他の体の部分はうすい灰色で、嘴は黄色、脚はだいだい色。 冬羽では嘴と脚が黒くなり、額の白い部分が拡がる。
ユーラシア大陸の中緯度地域で繁殖し、アフリカからオーストラリアにかけての沿岸部で越冬する。またカリブ海沿岸域やハワイ諸島にも分布している。
日本では本州以南に夏鳥として渡ってきて繁殖するが、繁殖地となる場所の減少にともない数が減っている。また、カラスによる捕食も個体数減少の一因とされ、東京都ではカラスの撃退に一役買うというミツバチの箱を設置することを決めている。
海岸や川などの水辺に生息し、狙いをつけて水にダイビングして魚をとらえる。その様子から鯵刺(あじさし)の名前がつけられたと思われる。同様の理由から鮎鷹(あゆたか)の異称も。狙いをつけるときには短時間ながらホバリング(停空飛行)をすることもある。
繁殖前にはオスがメスへ獲物をプレゼントする「求愛給餌」がみられる。巣は川原、砂浜、埋立地などに集団繁殖地(コロニー)を作って外敵の侵入に備える。地面にくぼみを作って2、3個の卵を産む。卵とヒナはまだらもようで石ころと区別がつきにくくなっている。
停空飛翔する様子(夏羽)
国際自然保護連合(IUCN)により、軽度懸念(LC)の指定を受けている[1]。
日本の環境省により、レッドリストの危急種(VU)の指定を受けている[5]。日本の以下の都道府県でレッドリストの指定を受けている[3]。
日本の以下の自治体の指定の鳥である。括弧表記はかつて存在していた自治体。