ガロアムシは、昆虫綱ガロアムシ目(非翅目、Grylloblattodea、Notoptera)の昆虫の総称。日本の中禅寺湖で最初に発見したフランスの外交官 E. Gallois にちなんで1914年に名づけられた。コオロギモドキとも言う。
現在知られているのは2亜科4属に属する25種。日本からは8種が知られる(ただし諸説があり研究者によって異論あり)。
細長い体をした、無翅の昆虫である。成長すると2cmになるものもありそこそこは大きい昆虫である。全体に黄褐色などの薄い色をしている。体は細長く、腹部の末端に一対の鞭状の尾角がある。頭部はやや平らな卵形で、複眼は極めて退化的。歩脚は歩行に適した形である。
シロアリの体と各脚を極端に細長くしたような外見であり、不完全変態昆虫としては原始的な姿を留めているとされる。幼虫、成虫、雌雄を問わず翅を欠く。幼虫も成虫も殆ど同じ形であるが、若齢の幼虫ほど体色が白く、成虫に近づくにつれ鮮やかな褐色となる。雌には小さいながらキリギリス科やコオロギ科のそれに似た産卵管がある。
おもに山間部、森林中の水辺近く等の、湿潤で冷涼な、地中、朽木中、石の下などにみられる。地中や洞窟から採集されることが多いため、一般人どころか研究者や愛好家でもまず目にかかることがない昆虫である。高温や乾燥には大変弱い。
肉食性であり、他の小さな昆虫、節足動物等を捕食して成長、生活する。孵化した幼虫は成虫になるまでに5-7年を要する。成虫も1-2年の寿命を持ち、昆虫の成虫としては比較的長命である。
マントファスマ目と近縁である。それぞれをガロアムシ亜目 (Grylloblattodea) ・マントファスマ亜目とし、あわせて非翅目 (Notoptera) とすることがある。
※日本にはほかにも2種類の未記載種がいるが研究者によって分類が異なり今後この分類は変わる可能性もある。