カワヒバリガイ(川雲雀貝)、学名 Limnoperna fortunei は、イガイ目イガイ科に分類される二枚貝の一種。中国南部原産の淡水生二枚貝だが、日本を含むアジア各地へ分布を広げている外来種である。日本では特定外来生物に指定されている。
殻長は3cmほどで、海生のヒバリガイよりはやや小さい。なおコウロエンカワヒバリガイ Xenostrobus securis は本種とよく似ており、かつては本種の亜種とされたこともあったが、内臓の形態やタンパク質の研究が進み、分布域も分類も異なる別属別種と判明した。
本来の分布域は中国南部の淡水域だったが、中国から移入されるシジミ類に混じって分布を広げた。日本には1980年代に侵入したと考えられ、1990年に揖斐川で初確認された。その後矢作川・木曽川・長良川・淀川(琵琶湖)の各水系でも確認された。日本以外にも朝鮮半島・台湾・香港・タイ北部など中国の周辺各地に侵入している。
成貝は水深10mくらいまでの岩などに足糸を出して付着する。繁殖の適温は21-27℃で、各個体が水中に放卵・放精を行う。孵化した幼生は1-2週間で稚貝に変態し、固着生活を始める。稚貝のうちはわずかに移動できるが、成長すると移動しなくなる。
水路をふさぐほど増殖し除去も困難なこと、大量斃死して水質の悪化を招くこと、水道や水力発電の施設に付着するなどの被害が問題化している。
またコイ科などの淡水魚に寄生する腹口類吸虫の中間宿主となることも判明しており、本種と同時に腹口類吸虫も日本へ侵入してしまった。既に宇治川産のオイカワやビワコオオナマズから腹口類吸虫の感染が確認されている。淡水魚の放流によって腹口類吸虫が日本各地へ分布を広げる可能性もあり、生態系への影響が懸念される。
一応食用出来るが、小さいためほとんど可食部分がなく、味もほとんどしない。許可無く生きたまま持ち帰ると特定外来生物法により罰せられる。