ラクダムシ亜目(駱駝虫亜目、Raphidiodea)は広義のアミメカゲロウ目(脈翅目、Neuroptera)に属す昆虫の一群。広義のアミメカゲロウ目をアミメカゲロウ上目(脈翅上目、Neuropterida)とする場合、またその他の亜目と別系統とする場合には、ラクダムシ目(Raphidioptera)とする。
完全変態で肉食性。体は細長く、幼虫は成虫に比べて扁平。幼虫は陸生で、森林の樹皮の隙間などに棲む。ラクダムシという和名は、成虫の頚が長く、中胸が膨れている点がラクダを思わせることによる。ユーラシア周辺、北アフリカ、北アメリカ西部に生息する。
現生種は210種ほど[3]。
成虫では前胸部が長く伸びるが、前脚は通常の形態で、カマキリモドキのように変形することはない。口器は強力で、あまり特殊化しない。複眼は大きく、単眼を持つ種もいる。雌は長い産卵管を持ち、木材や腐朽材に産卵する。翅は前後ともほぼ同じ大きさで、翅脈は原始的で縁紋(英語版)を持つ[4]。
幼虫は大きな頭部と突き出した大顎を持つ。頭部と胸部の第1節は硬化するが、それ以外の部位は柔らかい。脚は3対で腹脚はないが、腹端には吸着器官がある[4]。
終齢幼虫は蛹室を作るが、繭は作らない。蛹は幼虫と同じように歩くことができ、羽化前には蛹室を離れることが多い。幼虫から成虫までは2年ほどかかる[4]。
ヘビトンボ亜目・アミメカゲロウ亜目と近縁で、共に脈翅目を構成する。脈翅目を上目に格上げし、脈翅上目 Neuropterida 下にヘビトンボ目 Megaloptera・アミメカゲロウ目 Neuroptera・ラクダムシ目 Raphidioptera の3目を入れる構成とすることも多い。脈翅目自体は鞘翅目と近縁である。
形態的には、以下の点で他の分類群から区別される[5]。
現生科はキスジラクダムシ科 Raphidiidae・ラクダムシ科 Inocelliidaeの2科である。絶滅科は4科で、その内Baissopteridae・Metaraphidiidae・Mesoraphidiidaeの3科は現生科とともにRaphidiomorphaにまとめられるが、Priscaenigmatidaeは単型のPriscaenigmatomorphaとされる[1]。
以下の分類はEngel (2002)・Bechly and Wolf-Schwenninger (2011) ・Ricardo Pérez-de la Fuente et al (2012)などによる[1][6][7]。
ラクダムシ亜目(駱駝虫亜目、Raphidiodea)は広義のアミメカゲロウ目(脈翅目、Neuroptera)に属す昆虫の一群。広義のアミメカゲロウ目をアミメカゲロウ上目(脈翅上目、Neuropterida)とする場合、またその他の亜目と別系統とする場合には、ラクダムシ目(Raphidioptera)とする。
完全変態で肉食性。体は細長く、幼虫は成虫に比べて扁平。幼虫は陸生で、森林の樹皮の隙間などに棲む。ラクダムシという和名は、成虫の頚が長く、中胸が膨れている点がラクダを思わせることによる。ユーラシア周辺、北アフリカ、北アメリカ西部に生息する。
現生種は210種ほど。