キツツキ科(きつつきか、Picidae)は、鳥綱キツツキ目の科である。キツツキ(啄木鳥)あるいは古語でケラ(啄木鳥)と呼ばれる。
北アメリカ大陸、南アメリカ大陸北部および南部、ユーラシア大陸、イギリス、インドネシア、キューバ、スリランカ、日本、フィリピン
最大種はテイオウキツツキで全長53cm。
第1、第4趾が後方(第1趾が退化している種もいる)に、第2、3趾が前方にある対趾足である。第4趾は側面に可動できる。趾には湾曲した鋭い爪が生える。これにより多くの種では樹木の幹のような垂直面でも静止することができる。
嘴は非常に硬質で細長く、ほぼ真っ直ぐに伸びており、他種よりも硬いものを突いて穴を開けるのに適した構造となっている。
卵の殻は白い。
森林、草原などに生息する。多くの種は渡りは行わず、一定の地域に縄張りを形成し周年生息する。
その名の通り木を突いて穴を開ける行動で知られ、毎秒およそ20回もの速度で嘴の尖った先端を打ち付けて掘削する。
食性は動物食もしくは動物食傾向の強い雑食で、主に昆虫を食べるが鳥類の雛、果実などを食べる種もいる。木の中や割れ目にいる獲物を舌を伸ばして捕食する。この舌の収納のため、舌が頭骨を回り込むような形で収納されているなど、独特な形状を持ち、硬いものを突く際の衝撃から脳を保護する役目も担っている。 また、一部の種では飛翔しながら飛翔している昆虫も食べる。
繁殖形態は卵生。鳴き声を挙げたり、木を嘴で叩いて(ドラミング)求愛する。キツツキは木を叩く音に由来するとする説もある。漢字表記の「啄木鳥」は「木をついばむ<啄ばむ>鳥」の意。樹洞(多くの種では自ら木材に穴を空けたり、樹洞内に穴を掘って広げる)に巣を作り、卵を産む。雌雄交代で抱卵・育雛を行う。
キツツキ科はミツオシエ科 Indicatoridae と姉妹群であり[1][2]、合わせてキツツキ下目 Picides(またはキツツキ上科 Picoidea)を構成する。
キツツキ科はアリスイ亜科 Jynginae・ヒメキツツキ亜科 Picumninae・ヒスパニオラヒメキツツキ亜科 Nesoctites・キツツキ亜科 Picinae の4亜科に別れ[3](以前はヒスパニオラヒメキツツキ亜科をヒメキツツキ亜科に含めた3亜科だった)、属数・種数のほとんどはキツツキ亜科である。キツツキ亜科には3つの族があるが[3]、そのほかに系統的に独立した2属がある[4]。
キツツキ目アフリカコゲラ族 Dendropicini
Megapicini
Malarpicini
属と種数は国際鳥類学会 (IOC) より[5]。30属225種がからなる。
開発による生息地の破壊などにより生息数が減少している種もいる。