トビトカゲ属(トビトカゲぞく、Draco)は、有鱗目アガマ科に属する属である。
インド南部、インドネシア、カンボジア、タイ、中華人民共和国南部、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス
メスよりもオスの方が大きい種が多い。頸部側面には襞状に皮膚が伸長(副翼)する。左右に5-7本ずつ肋骨が伸長し、その間に扇状の皮膜(飛膜)がある。喉には三角形に伸長する皮膚(咽喉垂)がある。
鼻孔が上方に開口する種と側面に開口する種(アガマ科では側面に開口する種が多い)がいる。
オスは咽喉垂が発達するが、メスは咽喉垂が発達しない。
森林に生息する。樹上棲。オスは縄張りを形成して生活する。副翼と飛膜を広げる事により揚力を生じ、樹木の間を滑空する事ができる。
Draco volansの場合で滑空距離は18mにも達する。[1]
食性は動物食で、主にアリを食べる。
繁殖形態は卵生。地中に卵を産む。
ペットとして飼育される事もあり、日本にも輸入されている。輸送により状態を崩すことが多く、飼育も難しいとされる。テラリウムで飼育される。樹上棲のため、高さのあるケージで飼育するのが望ましい。枝や観葉植物等を組んで活動場所や隠れ家にする。
同所的に分布するアガマ科内では初期に分化したと考えられ、Ptyctolaemus属に近縁とされる。
鼻孔が側面に開口する種は分布や形態、分子系統学の研究から原始的な種と考えられ、鼻孔が上方に開口した種が後期に分化したと考えられている。