Gargariscus オニキホウボウ属
Heminodus イトキホウボウ属
Paraheminodus コウトウキホウボウ属
Peristedion キホウボウ属
Satyrichthys イソキホウボウ属
Scalicus ヒゲキホウボウ属
キホウボウ科(学名:Peristediidae)は、カサゴ目に所属する魚類の分類群の一つ。キホウボウなど底生性の深海魚を中心に、少なくとも4属36種が記載される[1]。
キホウボウ科の魚類はすべて海水魚で、大西洋・インド洋・太平洋など世界中の熱帯域の深海に広く分布する[1]。大陸棚から大陸斜面にかけての海底で暮らす底生魚のグループで[1]、日本の近海からは16種が知られている[2]。
本科魚類は近縁のホウボウ科と同様に、指のように発達した胸鰭の鰭条を用いて海底を這うように移動する。吻(口先)から突き出した2本の吻突起を使って海底の砂泥を掘り起こし、甲殻類などの底生生物を捕食する[3]。
キホウボウ科の仲間は上下に平たく縦扁した体型をもち、最大種では体長約50cmにまで成長する[3]。体は左右それぞれ4列の硬い骨板で覆われ、特に頭部にはトゲ状の突起が発達する[1]。ホウボウ科と類似して、吻(口先)の先端には2本のトゲが突き出し、吻突起と呼ばれる独特な構造を作り出している[2]。吻突起の厚みや長さは種によってさまざまで、重要な分類形質として利用される。ホウボウ科とは異なり口は下向きで、下顎に口ヒゲをもつことが本科魚類の特徴である[1]。
胸鰭の下位2本の鰭条は遊離し、大きく発達する[1]。前眼窩骨に前向きの突起が存在する[1]。椎骨は26-27個。
キホウボウ類はかつてホウボウ科の亜科としてカサゴ亜目に所属していたが[4]、現在ではコチ亜目の内部に独立の科として分類されるようになっている。キホウボウ科にはNelson(2006)の体系において4属36種が認められている一方で[1]、イソキホウボウ属の一部を分割してヒゲキホウボウ属 Scalicus を設置するなど、6属として扱う体系も提唱されている[5]。本稿では、FishBaseに記載される5属47種についてリストする[3]。