1. ショウショウトンボ Crocothemis servilia mariannae
2. カオジロトンボ Leucorrhinia dubia orientalis
3. ハラビロトンボ Lyriothemis pachygastra
4. ハッチョウトンボ Nannophya pygmaea
5. オオシオカラトンボ Orthetrum melania
6. コシアキトンボ Pseudothemis zonata
7. チョウトンボ Rhyothemis fuliginosa
など142属[1]
詳細は本文の分類を参照
トンボ科(トンボか、学名:Libellulidae Rambur, 1842)はトンボ亜目(不均翅亜目)トンボ上科に分類されるトンボの1科。トンボ目の中では最も系統が新しく、繁栄している科[2]。
頑丈な体付きで、前翅よりも後翅の方か幅広である不均翅亜目のグループに属する[3]。大型のヤンマ科と比べて小さく、全長6 cm以下の小型から中型のトンボ[4]。体色は金属光沢の単純な色調、黄色、赤色、青色など変異に富む[1]。ハッチョウトンボのように雌雄で色彩が異なるものや[5]、マユタテアカネのようにメスに色彩が異なる多型のあるものもある[2]。シオカラトンボやハラビロトンボのように羽化した時のオスがメスと同色で、成熟するとオスの体色が大きく変わるものが多い[1][5]。複眼は発達し大きく左右がくっ付きあって一続きになり[3]、境目が長い線状になっているものが多い[6]。複眼後縁の突起物がなく[1]、腹部の耳状突起などを取り除いた単純な形態[2]。前翅の三角室は著しく縦長となるものが多く変形して、四角室状となるものもある[1]。前翅の三角室と後翅の三角室は形状と向きが異なり[7][8]、後翅の肛角が突出しない単純な形態[2]。翅脇の肩縫線は多少ともS字状に湾曲する[1]。
アカネ属 Sympetrum fonscolombii の頭部の構造
(occipital triangle)後頭、(antenna)触角、(vertex)額隆、(frons)前額、(clypeus)後頭楯、(compound eye)複眼、(labrum)唇、(front leg)前脚
平らな姿勢で枝先などに静止する種が多いが、斜めに静止する種や、飛び立つとなかなか静止しない種もある[8]。翅を開いた状態で静止する[1]。大部分の種が池、沼、水溜まり、湿地などの止水域に広く生息しているが[9]、一部のものはゆるやかな流水がある環境に生育する[1]。雄は静止または飛翔しながら水辺の一定空間で縄張りを持つ[1]。雌は短い単純な生殖弁で産卵する種が多いが、長く突き出た生殖弁を泥に差し込んで産卵する種もある[6]。連結状態または雌単独で飛翔しながら連続的あるいは間欠的に打水、打泥して産卵をするものが多い[1]。マユタテアカネとコノシメトンボ、シオカラトンボとシオヤトンボなどのように近縁種間で種間雑種がDNA解析により確認されている[10]。
幼虫(ヤゴ)の体は太く、腹部末端には3個の長い尾部付属器と1対の尾毛がある[11]。体つきは楕円で、全長が1-2.5 cm、触角は細く小さい[12]。幼虫の足や腹部末端の肛錐が比較的短く[13]、腿節は頭部の幅とほぼ同じ長さ[13]。下唇 はカゴ形で[13]、下唇基節が東部の前面と下面を覆う[2]。7節の触角と直腸鰓がある[1]。
Libellula depressaのヤゴ
日本産の不均翅亜目の分化系統図を以下に示す[14]。
トンボ亜目(不均翅亜目) Anisopteraトンボ科 Libellulidae
トンボ科では、142属987種が知られている[1]。日本では25属68種が確認されていて[1]、トンボの約3割が本科に属する[9]。主な属と日本で確認されている種を以下に示す[15][16][17]。シオカラトンボや赤とんぼなどのよく親しまれているトンボが含まれている[5]。
日本産のトンボ科の分化系統図を以下に示す[14]。
トンボ科 Libellulidae多数の種が国際自然保護連合(IUCN)により、レッドリストで軽度懸念(LC)などの指定を受けている[19]。日本では多数の種が、環境省や都道府県によりレッドリストの指定を受けている[20]。
ショウジョウトンボ属
ショウジョウトンボ
Crocothemis servilia
ナンヨウベッコウトンボ属
ナンヨウベッコウトンボ
Neurothemis ramburii