トウガラシ(唐辛子、蕃椒[1]、学名:Capsicum annuum)は、ナス科トウガラシ属の多年草または低木(日本など温帯では一年草)。また、その果実のこと。メキシコ原産(アンデス地方という説もある)。果実は香辛料または野菜として食用にされる。
「トウガラシ」は「唐」から伝わった「辛子」の意味である。ただし、「唐」は漠然と「外国」を指す言葉で、中国経由というわけではない。詳細な伝来史、香辛料としての異名については唐辛子を参照。
広義にはトウガラシ属をトウガラシと総称することがあるが、ここでは主に C. annuum 1種について述べる。
草丈は40 - 60cm。茎は多数に枝分かれする。葉は互生。柄が長く卵状披針形。7 - 9月ごろ白い花を付ける。花の後に上向きに緑色で内部に空洞のある細長い5cmほどの実がなる。果実は熟すると赤くなる。品種によっては丸みを帯びたものや短いもの、色づくと黄色や紫色になるものもある。
辛味成分カプサイシンは種子の付く胎座に最も多く含まれる[2]。トウガラシは胎座でカプサイシンを作り出している。トウガラシの種子にはカプサイシンがほとんど含まれていないため、種子だけを食べるとまったく辛味を感じない。カプサイシンは果皮にも含まれるが、胎座ほど多くない。
ししとうなどの甘い品種は辛い品種と交配が可能である。甘い品種の雌しべに辛い品種の花粉を交配してできた実は(胎座は甘い品種なので)甘いが、この種子から育った実の胎座は辛くなることがある。従って、辛い品種と甘い品種を植えるときはなるべく距離を置くように注意することが必要である。
実の形状は、ほとんどが小さく長細いものだが、野生種チルテピンの実は小さく丸い。ほかに
といったものもある。
主な品種、栽培種は次の通りである。
なお、島唐辛子、タバスコペッパー、プリッキーヌーは別種キダチトウガラシの品種である。ハバネロも別種である。
辛味があり香辛料として使われる品種と、辛味がないかほとんどない代わりに糖度が高く、主に野菜として食される甘唐辛子がある。
ただし、パプリカには辛いものもあり、乾燥させて香辛料としても使われる。また、ししとうには1割くらいの割合で辛味のあるものが混ざっている。
果実は香辛料として有名だが、薬用として使われることがある。エキスにして温湿布剤に配合したり、筋肉痛、凍傷、養毛に使われる。
トウガラシには防虫効果がある事が古くから知られており、書物の保存、ひな人形、五月人形などの物品保存などにも使用されてきた。また米の保存など一部食品保存に用いられていた事もある。
アルコール抽出した成分には種の細菌の増殖を抑制する抗菌効果が有るとする報告がある[3]が、乾燥加工した物品では保存中や流通加工工程中で増殖するカビ[4]によって、カビ毒に汚染される可能性が指摘されている[5][6]。
花をつけた頃から実が未熟な頃にかけて茎ごと収穫し、葉物野菜の葉唐辛子として利用される。
トウガラシが属するトウガラシ属は温帯から亜熱帯にかけて分布している。そのうち栽培種は次の6種である。これらのうち、標準和名では C. annuum 1種をトウガラシと呼ぶ。
日本で栽培されているのは主にトウガラシだが、沖縄ではキダチトウガラシの品種の島唐辛子が栽培されている。
トウガラシ、キダチトウガラシ、シネンセ種の3種は花の形態などが酷似しており、交配すると雑種ができるが、雑種が形成する花粉の数割は生殖能力を持たないため、この3種の間には不完全な生殖的隔離が見られる[7]。
トウガラシ(唐辛子、蕃椒、学名:Capsicum annuum)は、ナス科トウガラシ属の多年草または低木(日本など温帯では一年草)。また、その果実のこと。メキシコ原産(アンデス地方という説もある)。果実は香辛料または野菜として食用にされる。
「トウガラシ」は「唐」から伝わった「辛子」の意味である。ただし、「唐」は漠然と「外国」を指す言葉で、中国経由というわけではない。詳細な伝来史、香辛料としての異名については唐辛子を参照。
広義にはトウガラシ属をトウガラシと総称することがあるが、ここでは主に C. annuum 1種について述べる。