ミカドボウシインコ(Amazona imperialis)は、インコ目オウム科ボウシインコ属に分類される鳥類。
全長45センチメートル[3]。頭部や頸部は暗紫色、上面は暗緑色[3]。下面は紫色で、羽毛の外縁(羽縁)が暗色なため鱗状の斑紋が入る[3]。尾羽基部は緑色で、先端に赤褐色の帯が入る[3]。翼の色彩は暗緑色で、人間でいう手首(翼角)を被う翼は赤い[3]。初列風切は暗色で、外側の次列風切基部は赤い[3]。
標高600 - 1,300メートルにある原生林に生息する[2][3]。食物が不足すると標高150 - 300メートルまで移動する[3]。昼行性で、夜間になると大木の樹上に集まり休む[3]。
繁殖様式は卵生。繁殖期は2 - 6月[2][3]。高木の樹洞に巣を作り[2]、2個の卵を隔年で産む[3]。
バナナなどの農地開発による生息地の破壊、食用やペット用の乱獲、ハリケーンなどにより生息数は激減した[2][3]。1950年代にアングライス山周辺とディアブロティン山周辺に個体群が分断され、前者の個体群は1983年以降は確認されていない[3]。生息地の一部はディアブロティン国立公園に指定されている[3]。ドミニカ国では法的に保護の対象とされ狩猟を行わないよう啓蒙活動が進められ密猟も含め狩猟されることは減少しているが[2]、密猟されることもある[3]。ディアブロティン山での1987年における生息数は約60羽、1990年における生息数は約80羽、1993年における生息数は80 - 100羽、1998年における生息数は250 - 300羽と推定されている[3]。