メグスリノキ(目薬の木、目薬木、学名:Acer maximowiczianum)とはムクロジ科カエデ属の落葉高木である。「長者の木」や「千里眼の木」、「ミツバナ」、「ミツバハナ」とも呼ばれる。
日本国内のみに自生する。主に、標高700メートル付近に多く見られる。大きいものでは、樹高10mに達する。雌雄異株。葉は長さ5〜13cm程度で、三枚の小葉からなる複葉。
和名は、戦国時代頃から樹皮を煎じた汁を目薬として使用すると眼病などに効用があるとする民間療法があったことに由来する。
フジグリーン社が、メグスリノキの商品化で有名。創業者の柏倉実が、東京大学の技官山中寅文にすすめられたことが、開発のきっかけという(毎日新聞・栃木版、1996年12月10日「頑張ってます」)。
秩父の札所十三番慈眼寺は、このメグスリノキを使った秩父眼茶を販売している。
樹皮にはロドデンドロール(ロドデノール)やエピ・ロードデンドリン、トリテルペン、タンニン、ケルセチン、カテキンなど多くの有効成分が含まれており、眼病の予防・視神経活性化・肝機能の改善などの効果があることが星薬科大学の研究により実証された。
近年の実験で肝障害防護効果[1]、アルドース還元酵素活性の阻害作用[2]、メラニン産生抑制効果[3]、抗炎症作用[4]など多くの効用が証明されているがいまだ十分な検証が行われているとはいえず効用のメカニズムは解明されていない部分も多い。
薬用として使用する場合は春から夏にかけて採取した樹皮または小枝を日干しし、1日量15から20gを水300mLで1/3まで煎じて服用する[5]。これには独特のにおいがあり、慣れていない場合は飲みづらいとされる。
目薬として用いる場合、3から5gを煎じた汁で洗う[5]。