オオヤマザクラ(大山桜、学名: Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)はバラ科サクラ属の植物。北海道、北陸、中部地方以北、山陰、四国(剣山・石鎚山脈)、などに自生している野生種の桜である[3]。
ヤマザクラ(山桜)に比べ花や葉が大きいことからこの名がつけられた[3]。別名では、花色が淡紅色であることからベニヤマザクラ(紅山桜)、北海道に多く生育していることからエゾヤマザクラ(蝦夷山桜)ともいう[4]。
英語圏ではSargent's cherryとして一般に知られている。アイヌ語ではカリンパニという。学名の由来はアメリカの植物学者チャールズ・スプレイグ・サージェントに因む[5]。
サクラの属名は日本では長いことPrunus、和名ではスモモ属とする分類が主流だったが、昨今の研究ではCerasus(サクラ属)とするものがある。日本では前者、分けてもサクラ亜属(subg. Cerasus)とするものが多かったが、近年は後者が増えてきている。しかしCerasusとすることで決着した訳ではない。海外では、現在もPrunusに分類するのが主流である。
花は直径3-4.5cm。色は淡紅色だが、ソメイヨシノ等の白い種と比べるとしっかりと色がつく。
本州中部ではカスミザクラより標高の高いところに分布するが、分布の下部においてカスミザクラと混在する。また、カスミザクラと交雑していることも多く、区別のつきにくい個体も多い。
オオヤマザクラは7mから15m程度の高さに育つ落葉樹。20m程度まで育つこともある。また根元近くから枝を生やし、枝の範囲も7mから15m程度にまで成長する。
葉は長めの卵形で、葉は鋸状になっている。大きさは8cmから15cm程度に広くなり、互生している。若いものは赤い色をしているが、夏には暗い緑色に変化する[6]。秋になると葉は紅葉し、赤、黄色、橙色と様々に色を変える[7]。葉には毛が少ないか、なく、葉の裏面が緑色で光沢を帯びないことでカスミザクラと区別できる。
夏になると黒紫色の実をならす[6]。実は小さなえんどう豆程度の大きさだがなりやすい。鳥が良く食するが、人間にとっては小さく目立たないため食用にはされていない[8]。
東アジアに分布し北海道、本州、四国、南千島、樺太、朝鮮半島などで野生のものが見られる[9]。
日本において、九州での分布は知られていなかったが、宮崎県の白岩山で変種が確認され、キリタチヤマザクラ(霧立山桜)と命名された[3]。
オオヤマザクラは日当たりのよく、水はけの良い土壌を好む。このような場所でよく早く育つ。風には強いが、大気汚染には弱い。また、寒さにも耐える。水の少なさにもある程度は耐える[7]。
この特徴から街路樹として非常によく使われている[6]。また、観賞用としてもよく使われている[10]。
もともと日本にあったものが1908年にアメリカや英国に紹介された。
幅が二十間(約36m)あることから二十間道路と呼ばれる通りに、約3,000本の桜が直線約7kmに及んで咲き渡り、見渡す限り一直線に続く桜並木となっている[11]。「日本のさくら名所100選」「日本の道百選」「新・日本街路樹100景」「北海道遺産」に選定され、毎年多くの花見客で賑わう[11]。
国泰寺境内には、厚岸町の天然記念物である樹齢170年を越える老桜樹(オオヤマザクラ)を見所に、チシマザクラなど約120本の桜が花開く[12]。近くの子野日公園では、厚岸湖を望み約1,200本のオオヤマザクラが開花する[12]。
「どうせ作るなら世界一の桜並木にしたい」という地元草案者のもと、1985年(昭和60年)から始まった桜並木づくり[13]。総延長20kmにも渡る長い道を、オオヤマザクラを中心とした6,500本もの桜が植樹され、どこまでも続く桜並木となっている[13]。
標高800mの高台に広がる亀ヶ森牧場では、樹高約6m、幹囲約3.5m、枝張り約15mとなるオオヤマザクラが、支柱もなく枝を大きく広げた姿を見られる[14]。
標高600mの西蔵王高原に開かれた放牧場では、広い敷地内にオオヤマザクラが自生し、点在する野生のオオヤマザクラ郡を見ることができる[15]。
推定樹齢300年、樹高10m、幹回り5.2m、枝幅17mの見事な枝ぶりの巨木である[16]。群馬県の天然記念物に指定されている[16]。
境内にある野中ザクラは、オオヤマザクラが天然変形したものである[17]。花は径約6cm、花序ごとに2個から3個の濃紅大輪の美しい花を咲かせる。植物学上でも貴重な品種のため、国の天然記念物に指定されている[17]。
推定樹齢130年、樹高約20m、幹周り5.1mにもなる巨木で、花は色濃い紅紫色の鮮やかな桜を咲かせる[18]。 長野県の天然記念物に指定されている[18]。
オオヤマザクラ(大山桜、学名: Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)はバラ科サクラ属の植物。北海道、北陸、中部地方以北、山陰、四国(剣山・石鎚山脈)、などに自生している野生種の桜である。
ヤマザクラ(山桜)に比べ花や葉が大きいことからこの名がつけられた。別名では、花色が淡紅色であることからベニヤマザクラ(紅山桜)、北海道に多く生育していることからエゾヤマザクラ(蝦夷山桜)ともいう。
英語圏ではSargent's cherryとして一般に知られている。アイヌ語ではカリンパニという。学名の由来はアメリカの植物学者チャールズ・スプレイグ・サージェントに因む。