ツツガムシ(恙虫)とは、ダニ目ツツガムシ科のダニの総称。ツツガムシ科に属するダニ類は日本では約100種が報告されている。主に東アジア、東南アジアに分布する。成虫は赤色、幼虫はオレンジ色をしている。幼虫は野鼠の耳に寄生していることが多い。幼虫は脊椎動物寄生性で孵化後、生涯に一度だけ哺乳類などの皮膚に吸着して組織液、皮膚組織の崩壊物などを吸収する。十分摂食して脱落、脱皮した後の第一若虫、第二若虫および成虫には脊椎動物への寄生性はなく、昆虫の卵などを食べる。
0.1~3%の個体が経卵感染によってツツガムシ病リケッチアを保菌しており、これに吸着されるとツツガムシ病に感染する。保有するリケッチアの血清型は、種との関連性があることが知られ、タテツツガムシはKawasakiまたはKuroki型、アカツツガムシはKato型、フトゲツツガムシはKarpまたはGilliam型を保有している。
日本では、感染症法に基きツツガムシ病の症例を集計している。2009年の症例458件死亡例3件[1]。
俗に、ツツガムシが「無事である」という意味の「つつがない」(恙無い)という慣用句の語源とされるが、それは誤りである(唱歌『ふるさと』の歌詞の「つつがなしやともがき」など)。
「恙」(つつが)はもともと「病気」や「災難」という意味であり、それがない状態を指す言葉として「つつがない」という慣用句が生まれた。それとは別に原因不明の病気があり、その病気は「恙虫」(つつがむし)という妖怪に刺されたことによって発病すると信じられていた。後世になってからこの病気がダニの一種による感染症(ツツガムシ病)であることが判明し、そこから逆にこのダニがツツガムシと命名されたものである。
石見国(島根県西部)に夜な夜な民家に入り込んでは寝ている住人の生き血を吸う「ツツガ」という虫がいた。のちに陰陽博士により退治された。
「絵本百物語」に描かれた恙虫
ツツガムシ(恙虫)とは、ダニ目ツツガムシ科のダニの総称。ツツガムシ科に属するダニ類は日本では約100種が報告されている。主に東アジア、東南アジアに分布する。成虫は赤色、幼虫はオレンジ色をしている。幼虫は野鼠の耳に寄生していることが多い。幼虫は脊椎動物寄生性で孵化後、生涯に一度だけ哺乳類などの皮膚に吸着して組織液、皮膚組織の崩壊物などを吸収する。十分摂食して脱落、脱皮した後の第一若虫、第二若虫および成虫には脊椎動物への寄生性はなく、昆虫の卵などを食べる。
0.1~3%の個体が経卵感染によってツツガムシ病リケッチアを保菌しており、これに吸着されるとツツガムシ病に感染する。保有するリケッチアの血清型は、種との関連性があることが知られ、タテツツガムシはKawasakiまたはKuroki型、アカツツガムシはKato型、フトゲツツガムシはKarpまたはGilliam型を保有している。
日本では、感染症法に基きツツガムシ病の症例を集計している。2009年の症例458件死亡例3件。