オオシマザクラ(大島桜)とはバラ科のサクラの一種。学名はCerasus speciosa (Koidz.) H.Ohba, 1992、(Synonym : Prunus speciosa (Koidz.) Nakai, 1915) [1][2]。日本の固有種で、日本に10種あるサクラ属基本野生種[注釈 1]のうちの一つ。その利用からタキギザクラ、モチザクラとも。
サクラの属名は日本では長いことPrunus、和名ではスモモ属とする分類が主流だったが、昨今の研究ではCerasus(サクラ属)とするものがある。海外では、現在もPrunusに分類するのが主流である。日本では前者、分けてもサクラ亜属(subg. Cerasus)とするものが多かったが、近年は後者が増えてきている。しかしCerasusとすることで決着した訳ではない。
高さは15mに達する落葉高木。葉は長さ5cm~10cm程度で、先端が尖った倒卵形または楕円形で互生、細かい鋸歯を持つ。晩秋に紅葉する。花期は春、3月から4月にかけ、葉の成長とともに茎の先端から数個の花をつける。花弁は白色で大型の5弁、淡い芳香を持つ。初夏にかけて結実し、十分に熟した果実は食用となる。丈夫で潮風にも強いことから、庭木や公園等の植林に用いられる。晩秋に紅葉する。カスミザクラの島嶼型であり、母種と比較して葉に細かい毛がないことで判別できる。また、このオオシマザクラは、ソメイヨシノなどの多くの園芸品種を生み出したサクラでもある。また、庶民の間で食される桜餅は、このサクラの若葉を塩漬けにした物を使用する。この独特な香りの由来はクマリンと言う成分が主体で、秋の七草のフジバカマと同様の香りがする。
関東以南の島嶼の海岸沿いから山地にかけて多く生育する。特に伊豆大島などの伊豆諸島に多く、和名の由来となっている。伊豆半島、房総半島、三浦半島にも自生するが、製炭のため島嶼部から持ち込まれたものと言われている。
伊豆大島(東京都大島町)北東部の泉津地区の山中にある本種の株。樹齢は推定800年であり、幹の周囲は7mに達する。主幹は高さ2mほどの部分を残して枯死しているが、数本の子株が立ち上がり、樹木を維持している。 1935年12月24日、天然記念物指定。また1952年3月29日に、特別天然記念物に指定されている。
パリ植物園のオオシマザクラ(2013年4月撮影)
オオシマザクラ(大島桜)とはバラ科のサクラの一種。学名はCerasus speciosa (Koidz.) H.Ohba, 1992、(Synonym : Prunus speciosa (Koidz.) Nakai, 1915) 。日本の固有種で、日本に10種あるサクラ属基本野生種のうちの一つ。その利用からタキギザクラ、モチザクラとも。