タイヘイヨウオウギハクジラ(太平洋扇歯鯨、Mesoplodon bowdoini)はハクジラ亜目アカボウクジラ科オウギハクジラ属に属する小型のクジラである。2002年時点で、野生下での生体の観察例は報告されておらず、不明な点の多いオウギハクジラ類の中でも詳細が判明していない種の一つである。
種小名の bowdoini はアメリカ自然史博物館への援助で知られるジョージ・ボードン (George S. Bowdon) に由来する。英名の Andrews' はタイヘイヨウオウギハクジラを新種として報告したアンドルーズ (Andrews) に由来する。他の英名としてはDeep-crest Beaked Whale、Splay Toothed Whale が知られる。
タイヘイヨウオウギハクジラの体型は他のオウギハクジラ類よりもがっしりしている。頭部メロンは小さく、口吻は短くて太い。下顎の根元側の半分近くが上顎よりも外側にはみ出しており、下顎に2本だけある歯が露出している。上顎には歯はない。
雄の体色は背側は濃い灰色である。噴気孔と背びれの間に鞍のような模様がある。頭部側面には明るい斑点模様があることもある。雌の背側は濃い青灰色であり、側面や腹側は白っぽい灰色である。多くの個体はダルマザメ (Cookiecutter shark) に咬まれた跡である白い傷跡や斑点を有するが、雄は同種の雄同士の争いで傷を負っている場合もある。
生体の雄の体長は4.5m、雌は5m程度、体重は1,000kgから1,500kg程度である。産まれた直後の体長は2.2m程度だと考えられる。
座礁例が35例報告されており、場所はオーストラリア、ニュージーランド、マッコーリー島、フォークランド諸島、トリスタン・ダ・クーニャである。以上の事から生息域は南半球であり、主に南極に近い海域に棲息すると考えられるが、野生下における目撃例がなく裏付けはない。全生息数は不明であり、IUCNのレッドリストでは「データ不足」 (DD - Data Deficient) に分類されている。
生態はほとんど不明である。 主にイカやタコなどの頭足類を食べる。 ニュージーランド沖で、春から夏にかけて出産していると推定されている。
捕鯨の対象となったことはなく、漁網などによる混獲の例も報告されていない。
タイヘイヨウオウギハクジラ(太平洋扇歯鯨、Mesoplodon bowdoini)はハクジラ亜目アカボウクジラ科オウギハクジラ属に属する小型のクジラである。2002年時点で、野生下での生体の観察例は報告されておらず、不明な点の多いオウギハクジラ類の中でも詳細が判明していない種の一つである。
種小名の bowdoini はアメリカ自然史博物館への援助で知られるジョージ・ボードン (George S. Bowdon) に由来する。英名の Andrews' はタイヘイヨウオウギハクジラを新種として報告したアンドルーズ (Andrews) に由来する。他の英名としてはDeep-crest Beaked Whale、Splay Toothed Whale が知られる。