ハシグロリュウキュウガモ(Dendrocygna arborea) は、カモ目カモ科リュウキュウガモ属に分類される鳥類。
アメリカ領ヴァージン諸島、プエルトリコ、アンティグア・バーブーダ、イギリス領ヴァージン諸島、ケイマン諸島、タークス・カイコス諸島、キューバ、ジャマイカ、セントクリストファー・ネイビス、ドミニカ共和国、ハイチ、バハマ[2]
全長48 - 56センチメートル[4]。翼長23 - 27センチメートル[3]。リュウキュウガモ属最大種[3]。後頭の羽毛が膨らみ瘤状になる[4]。上面の羽衣は褐色で、灰褐色の斑紋が入る[4]。喉から胸部は淡褐色、胸部から腹部は濃褐色で、頸部から胸部にかけて濃褐色の斑紋が入る[4]。体側面は黒く、白い斑紋が入る[3][4]。尾羽下面の基部を被う羽毛(下尾筒)は黒く、白い斑紋が入る[4]。
虹彩は黒褐色[4]。嘴の色彩は黒い[3][4]。後肢の色彩は黒や濃灰色[3][4]。
マングローブ林[3]、湿地林などに生息する[4]。夜行性で[3]、昼間は集団で大木の樹上で休むことが多い[4]。
食性は植物食で、主にダイオウヤシ属の果実を食べるが、液果、草本の種子なども食べる[4]。
繁殖様式は卵生。ヤシ類など大木の樹上や樹洞に巣を作る[4]。6 - 10個の卵を産む[3]。抱卵期間は30日[3]。
開発や干拓による生息地の破壊、密猟などにより生息数は減少した[4]。2013年現在は生息数は増加傾向にある[2]。2007年における生息数は10,000 - 19,999羽と推定されている[2]。
1831年にロンドン動物園が初めて本種を飼育し、1869年にケルン動物園が初めて本種の飼育下繁殖に成功した[5]。日本では1978年に野毛山動物園が初めて本種の飼育下繁殖に成功した[5]。