アオサ藻綱(アオサそうこう、学名:Ulvophyceae)は、緑藻植物門の下位分類の1つ。微細構造を基に最近になって提唱された群である。
緑色植物亜界のうち、海洋で進化、発達したグループで、淡水種はほとんどない。例えば、シオグサ目のマリモは淡水種であるが、地形の変動で海洋から切り離されたある種が、つい最近(数千年前)になって淡水域に適応した例である。褐藻や紅藻では大型種や組織化の程度の高い種がみられるのに対し、緑色海藻である本群では、そのような進化した種は見られない。また総種数も褐藻や紅藻には及ばない。これは、光の届きづらい水深では、緑色植物の色素が不利であるためと考えられている。
緑藻綱及びトレボウクシア藻綱とともに緑藻植物門を形成する。細胞分裂時の核分裂では終期まで中間紡錘体が残存し、細胞質分裂時の隔膜形成でフラグモプラストもファイコプラストも関与しないのが特徴的である。遊走細胞の2本の鞭毛は鞭毛基部において鈍角で交差する。また鞭毛の生えている側を上側にして見た場合、左側の鞭毛が常に手前になり、これを反時計回り配列(CCW配列)と呼ぶが、アオサ藻綱の特徴的な形質となっている。
旧来あった、モツレグサ目はヒビミドロ目に、ツユノイト目はイワヅタ目に、ミドリゲ目はシオグサ目にそれぞれ統合されている。また、イワヅタ目をミル目と呼ぶ分類もある。
Ulvophyceae アオサ藻綱
アオサ藻綱(アオサそうこう、学名:Ulvophyceae)は、緑藻植物門の下位分類の1つ。微細構造を基に最近になって提唱された群である。