アオギリ(青桐、梧桐、学名: Firmiana simplex)は、アオイ科(従来の分類ではアオギリ科)アオギリ属の落葉高木。
葉は互生し、長柄があり、大きくて薄く、卵形で掌状に浅く3〜5裂する。基部は心臓形で、鋸歯はない。幼時には、葉の表面、葉枝に軟らかい毛がある[2]。
花は6〜7月に、枝先に大形の円錐花序を出す。雄花と雌花を交え、黄白色5弁の小花を群生する。がく片は5個で、花弁はない。
果実は10月に熟すが、完熟前に舟形の5片に割れ、心皮の縁辺にエンドウマメくらいの小球状の種子を1〜5個ほど付ける。種子は黄褐色で、皺があり硬い[2]。
中国南部・東南アジア原産。沖縄、奄美大島に自生する[2]。日本の暖地に野生化した状態でみられることもあるが、多くは街路樹や庭木として植えられる[2]。
庭木・街路樹にし、材を建具・家具・楽器などとする。種子は古くは食用にされ、太平洋戦争中には炒ってコーヒーの代用品にした。
栽培は、主に春に発芽前の若枝を切って挿し木して育成される[2]。
種子は「梧桐子(ごどうし)」と呼ばれる生薬として用いられ、胃痛、下痢の薬効作用がある。葉は、煎じたものを服用することにより、浮腫、高血圧に対し薬効作用があるとされる[2]。
中国では鳳凰が住む樹とされた[3]。伏羲がはじめて桐の木を削って古琴を作ったという伝説がある(ただしアオギリかキリか不明)[4]。
中国人の季節感と深い関係があり、七十二候のひとつに「桐始華」(清明初候)がある。またアオギリの葉が色づくのは秋の代表的な景色であり、王昌齢「長信秋詞・其一」に「金井梧桐秋葉黄」の句がある。また白居易「長恨歌」には「秋雨梧桐葉落時」という。
中国の伝説ではアオギリの枝には12枚の葉がつくが、閏月のある年には13枚つくといわれた[5]。
アオギリ属(アオギリぞく、学名: Firmiana)は、アオイ科の属の一つ。