エゾビタキ(蝦夷鶲、学名:Muscicapa griseisticta)は、スズメ目ヒタキ科サメビタキ属に分類される鳥類の一種である。
夏季にシベリア南部、サハリン、カムチャツカ半島南部等で繁殖し、冬季はフィリピン、セレベス島、ニューギニア等へ南下し越冬する。
日本では旅鳥として春と秋の渡りの時期に飛来する。一般的に秋の方が通過数が多く、各地で普通に見られる。
全長約15 cm[2]、翼開長は約26 cm[3]。スズメより少し小さく、サメビタキ、コサメビタキよりも一回り大きい。雌雄同色である[2]。背面は灰褐色、腹面は白い体羽で覆われる。腹面には暗褐色の縦縞が明瞭にならぶ。尾は背面よりやや暗色。翼は黒褐色でサメビタキやコサメビタキと比べると長く、翼の端は尾の半分程度まで達する。眼の周囲の羽毛はやや汚れた白色。足は黒褐色。
渡りの時期は、平地から山地のやや開けた明るい林に生息する。市街地の公園でも観察されることがある。単独もしくは10数羽の小さな群れを形成して生活している。
食性は主に動物食で、昆虫類等を食べる。樹先等に止まり、飛翔している昆虫目掛けて飛翔し捕食する。また、秋の渡りの時はミズキの実を食べたりもする。
繁殖形態は卵生。
地鳴きは「ツィー」などか細い声である。
国際自然保護連合(IUCN)により、レッドリストの軽度懸念(LC)の指定を受けている[1]。