ヒマラヤタール(Hemitragus jemlahicus)は、ウシ科タール属に分類される偶蹄類。
インド北部、中華人民共和国南西部、ネパールのヒマラヤ山脈[1][2][3][a 1]
アメリカ合衆国(カリフォルニア州)、ニュージーランド、南アフリカ共和国へ移入・定着[1][2][3][a 1]
体長オス150-175センチメートル[2][3]。尾長オス15-20センチメートル[2]。肩高オス90-100センチメートル、メス80-90センチメートル[2]。体重オス80-90キログラム、メス60-70キログラム[2]。顔や四肢前面の毛衣は暗褐色や黒褐色[2]。眼上部や吻端に白い斑紋が入る[2][3]。胴体の毛衣は赤褐色や暗褐色で、背面の正中線上に沿って暗色の縦縞が入る[2][3]。
角はやや短い三日月状で、先端が内側へ向かう[2]。角長オス30-38.8センチメートル、メス20-25センチメートル[2]。角の断面は三角形[2]。角の前端内側に稜線状の隆起(稜)があり[3]、稜には疣がある[2]。吻端は体毛で被われ、板状の皮膚(鼻鏡)がない[2]。
オスの成獣は頸部から胸部にかけての体毛が非常に伸長し、鬣状になる[1][2][3]。鬣の毛衣は淡黄褐色[2]。乳頭の数は4個[2][3]。
標高2,000-5,300メートルにある断崖や斜面にある森林などに生息する[3]。小規模な群れを形成して生活する[3]。
食性は植物食で、主に木の枝などを食べる[3]。
繁殖形態は胎生。10-翌1月に交尾を行い、妊娠期間は177-242日[3]。1回に1頭(まれに2頭)の幼獣を産む[3]。
開発による生息地の破壊、食用の狩猟、家畜との競合などにより生息数は減少している[3]。