ニシレモンザメ(西檸檬鮫、学名:Negaprion brevirostris、英名:Lemon shark)はメジロザメ目メジロザメ科に属するサメの1種。
西アフリカ沿岸の東大西洋南部一帯と、ニュージャージー州以南のカリブ海を中心とした南北アメリカ大陸一帯及び、東太平洋のカリフォルニア以南の沿岸部に生息している。
体長は太平洋やインド洋に生息する近似種のレモンザメ(N. acutidens)と同じで、最大3メートルほど。レモンザメよりも体色の黄色味が濃く、これが名前の由来となっている。腹部は白い。
体型は典型的なサメの姿で、レモンザメとほとんど形態的にも違いはないものの、レモンザメほど前鰭の曲線カーブがきつくないことが識別点となっている。
多くのサメは呼吸のために常に泳ぎ続ける必要があるが、本種はその必要がない[1]。
発信器をつけた調査では、昼夜を問わず動き回っていることがわかった[2]。 レモンザメと同様に暖海の沿岸部に生息し、サンゴ礁を住処とすることも多い。近親交配を避けるために場合によっては、回遊することもある。
妊娠期間は12ヶ月ほどで成長は遅く、成熟するまでに要する時間は12年かかるといわれている。幼体期はマングローブなどに潜んで、大型魚の攻撃を受けないようにしている。
鋭い歯を持ち、沿岸域の大型魚類などを捕食し、場合によっては群れを形成することもある。
レモンザメ同様、人間に対して潜在的な危険があるとされる[3]。積極的に人を襲うことはないが、狂乱索餌[4](きょうらんさくじ)状態に陥った場合はサメの方から突然襲いかかったという例もあり、注意を要する。
本種は知能も高く、視力も良いことと、飼育が容易なため水族館や様々な実験施設で飼育、研究されている。