Eumeces kishinouyei
Stejneger, 1901
キシノウエトカゲ(岸之上蜥蜴、Plestiodon kishinouyei)は、爬虫綱有鱗目トカゲ科トカゲ属に分類されるトカゲ。
日本(宮古列島、八重山列島)固有種[1][2][3][4][5]
頭胴長は14 - 17.2cm、全長は30 - 38cmで、最大全長は40cmになる[5]。日本に分布するトカゲ亜目の構成種では最大種[1][2][3][4]。背面は淡緑褐色[3]。正中線上に入る縦縞は途中で途切れ、頭頂で斑点状になる[2]。側頭部に入る縦縞は耳孔で途切れる。[2]
幼体の体色は黒で、黄色い縦縞が7本入る[3]。
オスの成体は頭部が大型で幅広く幅は約3cmにもなり、顎は赤みを帯び、繁殖期にはより鮮やかになる[1][4][5]。背面の体鱗数は24 - 26列[5]。
草原や海岸、農耕地などの開けた環境に生息する[2][3][4]。カニなどの作った穴や石や木などの根元の穴などを巣として利用する[5]。天敵としてはヨナグニシュウダなどが挙げられる[2]。
食性は肉食で、昆虫や多足類、甲殻類、小型のカエル、同所的に生息するイシガキトカゲなどの小型爬虫類などを食べる[2][3][4][5]。
繁殖形態は卵生。オスは3月に互いの頭部に噛み付きあって争う[1]。巣の中に産卵し、母親は卵が孵化するまで保護する[4][5]。
開けた環境に生息するためか民家の近くでも見られることがある。
自動車道路上に出た際の轢死によって個体数が減少しているほか、伊良部島や下地島、波照間島の個体群は人為的に移入されたニホンイタチの捕食圧により絶滅寸前にまで追いやられている[5][6]。日本では1975年に国の天然記念物に指定されている[1][2]。
絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト)