リケッチア目(Rickettsiales)はαプロテオバクテリアに属する細菌からなる分類群であり、その多くは他の細胞の内部でのみ生存可能である。ヒトに各種疾病を引き起こすリケッチアのような病原体が含まれているが、その一方で細胞内共生説においてミトコンドリアの起源となった細菌もここに由来すると考えられている。ウイルスがリケッチアやそれに類似の生物から生じたと考える者もいる。培養が困難であることもあり、プロテオバクテリアの中でも最も謎につつまれたグループといえる。
もともとリケッチア目(Rickettsiales Gieszczkiewicz 1939)には全ての偏性細胞内寄生細菌を含めていたが、その後クラミジアやQ熱病原体(Coxiella burnetii)などは近縁性が低いとして取り除かれた。現在用いられている分類体系では主に細胞内での所在に注目し3科に分類している[1][2] が、それ以外に4属が所属不明となっている。
リケッチア目には主として海洋から見出されるSAR11という難培養系統を含んでいる。ここには自由生活性で浮遊性の種が多数存在しており、例えば世界中の海洋に遍在する細菌(暫定的にCandidatus Pelagibacter ubiqueと命名された)が所属している[4]。 この系統はリケッチア目の中でも最も祖先的な位置から派生しており、ミトコンドリアの起源は自由生活性のSAR11とその他の細胞内寄生性のリケッチアとの間に由来すると考えられる。 [5] [6] 一方で、ミトコンドリア膜間腔に共生するミディクロリアもリケッチア目に含まれている。
リケッチア目(Rickettsiales)はαプロテオバクテリアに属する細菌からなる分類群であり、その多くは他の細胞の内部でのみ生存可能である。ヒトに各種疾病を引き起こすリケッチアのような病原体が含まれているが、その一方で細胞内共生説においてミトコンドリアの起源となった細菌もここに由来すると考えられている。ウイルスがリケッチアやそれに類似の生物から生じたと考える者もいる。培養が困難であることもあり、プロテオバクテリアの中でも最も謎につつまれたグループといえる。