センニュウ科(センニュウか、Locustellidae)は、鳥類スズメ目の科である。オオセッカ科 (Megaluridae) とも。
和名に「センニュウ(仙入)」「オオギセッカ(扇雪加)」「オオセッカ(大雪加)」「ツグミモドキ(鶫擬)」を含む種などが属する。なおセッカは、同上科別科のセッカ科である。
アジア、アフリカ、オーストララシアの、主に灌木林、一部は沼地や、森林限界以上の高山に生息する[1]。
多くの種の羽色はカウンターシェードしており、体の背側は褐色で、腹側は白っぽい。オニセッカ属 Megalurus とセンニュウ属 Locustella の一部は背側に縞があり、オウギセッカ属 Bradypterus の一部は腹側にも縞がある。ヒバリモドキ Megalurus cruralis の雄は例外的に、腹側もすすけた褐色である[1]。
多くの種は小型で、全長13–16cm。ただし一部は例外的に大きく、オニセッカ Megalurus palustris は22–28cmである[1]。
さえずりは単純だが、近縁な種でも異なる[1]。
科間の系統関係は Johansson et al. (2008)[2]より。clade H は彼らによる仮の系統名である。センニュウ科の内部系統は Alström et al. (2011)[1]より。ただし、カレドニアオナガセッカ属 Megalurulus の系統位置は不明で、図での位置は仮のものである。系統位置が不明ないくつかの単型属は記されていない。
clade Hセンニュウ科はミズベマネシツグミ科、テトラカヒヨドリ科と共に単系統を作る。この3科間の系統関係は不確実だが、おそらく (オオセッカ科 + (ミズベマネシツグミ科 + テトラカヒヨドリ科)) である[2]。
センニュウ科は伝統的には、ウグイス科 Sylviidae(拡大したヒタキ科を採用するならヒタキ科ウグイス亜科)に分類されていた。これらの分類群は「ムシクイ類」と呼ばれる。
Sibley & Ahlquist (1985; 1990) は、現在のセンニュウ科の一部、つまり、現在の分類で
をウグイス科オオセッカ亜科 Megalurinae とした。ただし、現在のセンニュウ科のいくつかの属、つまり、現在の分類で
は、ウグイス科オオセッカ亜科ではなくウグイス科ヨシキリ亜科 Acrocephalinae(彼らによるムシクイ類)に含まれた。
Alström et al. (2006)[3]は、センニュウ属、オウギセッカ属、オニセッカ属をオオセッカ科 Megaluridae とし、Sibley & Ahlquist がオオセッカ亜科に含めたコシアカセッカを除外した。この範囲は、彼らが扱った属に限れば、現在の分類に一致する。また彼らは、(当時の定義での)センニュウ属とオオギセッカ属が単系統でないことも示した。
Sangster et al. (2009)[4]は、科名をセンニュウ科 Locustellidae とした。
Alström et al. (2011) などの分子系統により、いくつかの属分類が修正を受けた(あるいは修正が再確認された)[1][5]。
国際鳥類学会議 (IOC)[5]より。和名は厚生労働省[6]などより。9属57種。