ソコダラ科(学名:Macrouridae)は、タラ目に所属する魚類の分類群の一つ。4亜科38属396種で構成される、タラ目で最大のグループである。 学名の由来は、ギリシャ語の「makros(大きな)」+「oura(尾)」から[1]。
体は前後に延長している。尾部は紐状で尾鰭を欠いていて、ほとんどの種類では骨格レベルで消失している。鰓条骨は6-8本、服椎骨は10-16本ある[1]。 バケダラ亜科以外のものは背鰭が2基あり(バケダラ科は1基)、第2背鰭と臀鰭は尾部で連続する。顎にヒゲがあり、鱗が小さい。発光器をもつ種類があり、肛門の近くに開口する。体長は80cm程度までのものが多い[1]が、1.5mに達する種類もある。
ほぼ全深海に分布する。生息水深は大陸棚近縁 (100m) から海溝の深部 (6,000m以深) まで極めて広範囲に及ぶが、多くは200-2,000mにかけて生息しているとみられる。
口の開く位置や背鰭の数・形状などに基づき4亜科に分類される。トウジン属、ネズミダラ属、ホカケダラ属など、50種以上を含む大きな下位分類群が属している。
アナダラ亜科 Bathygadinae は2属26種[2]からなり、最も原始的な一群と考えられている。第2背鰭は第1背鰭のすぐ後ろにあり、臀鰭よりも発達している。鱗は円鱗。口は大きく体の前端に開き、吻は丸みを帯びている。太平洋東部を除く熱帯から亜熱帯海域の中深層~漸深層に広く分布し、最大で65cmほどになる。アナダラ属は顎ヒゲをもたないか不明瞭であるのに対し、カタダラ属は明瞭なヒゲをもっている。
バケダラ亜科 Macrouroidinae は2属2種[3]のみで構成される。背鰭は1基で、軟条のみからなり、棘条は存在しない[4]。頭部は塊状でまったく角張りがなく、口は体の下側に開く。腹鰭は退縮し、バケダラ属の種のものは小さく5軟条からなり[4]、バケダラモドキ属の種には全くない。熱帯から温帯の海底に生息し、全長35cm前後。本亜科は独立のバケダラ科 Macrouroididaeとして分類されていた。
Trachyrincinae 亜科 Trachyrincinae は2属7種[5]からなる。第2背鰭は第1背鰭のすぐ後ろにあり、臀鰭よりもわずかに丈が高い。口は大きく体の下側に開き、吻は長くとがっている。顎ヒゲは小さいか、欠いている。世界中の温帯域の深海に住む。体長は最大60cm。
ソコダラ亜科 Macrourinaeは21属361種[6]で構成される。タラ目魚類の半数以上が所属する大きな一群であり、新種の記載も相次いでいる。北極海の高緯度地帯を除く全海域に分布し、深海底の生態系において非常に重要である一方、水産資源として利用可能な種類は限られている。進化している一群で、海底に適応している。
臀鰭が第2背鰭よりも発達し、第1背鰭との間隔は離れている。口が小さく、位置は亜端位もしくは体の下面に開き、下顎先端のヒゲの有無もさまざまである。発光器をもつ種類が多い。最大で1.5mになる種(ムネダラ、Albatrossia pectoralis)がある。鱗は大部分の種で櫛鱗。
(バケダラ亜科は独立した科として記載)
ソコダラ科(学名:Macrouridae)は、タラ目に所属する魚類の分類群の一つ。4亜科38属396種で構成される、タラ目で最大のグループである。 学名の由来は、ギリシャ語の「makros(大きな)」+「oura(尾)」から。