スイゼンジナ(水前寺菜、学名:Gynura bicolor)は、熱帯アジア原産のキク科サンシチソウ属の多年草である。
沖縄県では「はんだま」といい、金沢市周辺では金時草(きんじそう、きんときそう)と呼ばれている。
属の学名は「メスのしっぽ」を意味し、柱頭が長くしっぽのように見えることから。種小名は「二色の」の意味で、葉の表と裏で色が違っていることによる。
熱帯アジア、特にインドネシア北東部にあるモルッカ諸島が原産地ではないかといわれている。多年草で草丈50〜90cmになり、茎と葉はやや多肉質で、葉は互生し、葉は長さ10cmあまりになり、長楕円形で切れ込みがある。葉にはにぶい光沢があり、表は深緑だが、裏側は鮮やかな紫色またはブロンズ色で、つぶすと赤色の汁が出る。花は夏に咲き、黄色またはオレンジ色の小さな頭状花だが種子はできない。このため、繁殖はもっぱら挿し芽で行う。
石川県、熊本県、沖縄県などでローカルな野菜として親しまれており、軽く茹でてポン酢をかけたり、お浸し、汁の実、天ぷらなどにして食べられている。強い香りとぬめりがある。