キイチゴ属(きいちごぞく、学名:Rubus L.[1]は、バラ科の属の1つ。キイチゴ(木苺、Bramble)と総称される。ラズベリー (Raspberry)、ブラックベリー (Blackberry) などの栽培種群に代表される、数十〜数百種(研究者により大きく違う)が属する。
ほとんどは小柄ながら木質化した茎を持つ低木で、一部に匍匐性のものや草本がある。茎や葉に棘を持つものも多い。
雌蘂は多数の心皮からなり、それぞれが独立した果汁を含んだ粒の形になる。したがって、果実はそのような粒の塊に見える。果実は食べられるものが多く、いわゆる野いちごは大部分がこの属のものである。
ラズベリー (Raspberry)、ブラックベリー (Blackberry) の2つが主な栽培系統である。
ラズベリーの原生種はヨーロッパと北米に分布し、ヨーロッパの種が栽培化され、のちに北米の種も栽培化された。寒冷地に適す。
ブラックベリーの原生種は西アジア、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカと広い範囲に自生し、北米の数種が栽培化された。寒さに弱く、温暖な地に適す。
日本では古代から室町時代ごろまでは栽培されていたが、その系統は途絶えている。現在の日本では欧米のラズベリーやブラックベリーが小規模に栽培されているのみである。
キイチゴ属は分化が激しく雑種も多いため、種の認定には諸説ある。大きく数十種にわけそれぞれに多数の亜種や変種を認める説や、細かく数百種にわけそれらをいくつかの亜属や節に分類する説などがある。
たとえば、細かく分けるとヨーロッパ産の Rubus idaeus (ヨーロッパキイチゴ)とアメリカ産の Rubus strigosus (アメリカイチゴ)は別種だが、大きく分けるなら Rubus idaeus 1種となる。
次に示す分類は、細かく分けたものである。属を13亜属に分け、そのうち最大のRubus亜属(ブラックベリーとデューベリーの仲間)はさらに12節に分けている。
キイチゴ属の主な種を以下に示す。
佐竹義輔他編『日本の野生植物 木本I』、1989年、平凡社
キイチゴ属(きいちごぞく、学名:Rubus L.は、バラ科の属の1つ。キイチゴ(木苺、Bramble)と総称される。ラズベリー (Raspberry)、ブラックベリー (Blackberry) などの栽培種群に代表される、数十〜数百種(研究者により大きく違う)が属する。