dcsimg

ハリモグラ科 ( Giaponèis )

fornì da wikipedia 日本語
ハリモグラ ハリモグラ Tachyglossus aculeatus
ハリモグラ Tachyglossus aculeatus
分類 : 動物界 Animalia : 脊索動物門 Chordata 亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata : 哺乳綱 Mammalia : カモノハシ目 Monotremata 亜目 : ハリモグラ亜目 Tachyglossa : ハリモグラ科 Tachyglossidae 学名 Tachyglossidae Gill, 1872 英名 Echidna

ハリモグラ科 (Tachyglossidae)は、脊椎動物亜門哺乳綱カモノハシ目(単孔目)ハリモグラ亜目唯一の科である。分類によっては、ハリモグラ目 Tachyglossa 唯一の科となる。

単孔目の中で、カモノハシ亜目カモノハシのみが現生)と姉妹群をなすグループである。ハリモグラ科には、ハリモグラ属のハリモグラと、ミユビハリモグラ属に属する3種の、計4種が現生である。

英語圏では Echidna (エキドナ、ギリシア神話に登場する上半身が美女で下半身はヘビという魔神)、または、Spiny Anteater (トゲのあるアリクイ) と呼ばれる。

分布[編集]

ハリモグラはオーストラリアタスマニアを含む)およびニューギニアに、ミユビハリモグラ属はニューギニアに分布する。

絶滅したミユビハリモグラ属2種は、Z. hacketti は現在の西オーストラリア州に、Z. robustus はタスマニアに、Megalibgwilia 属はオーストラリアに分布していた。

分類[編集]

絶滅群(†)は全て化石群。

特徴[編集]

ハリモグラ科は、カモノハシ科とともに、カモノハシ目(単孔目)を構成する。カモノハシ目は、オーストラリア区にのみ生息する原始的な哺乳類のグループで、爬虫類鳥類と同じように産卵し、孵化した子に授乳して育てる。また、尿道生殖孔肛門が分化していない総排出腔をもつ。

ハリモグラ科の動物は、体表を覆う柔らかい体毛のほかに、太くて硬いトゲ(体毛が特殊化したもの)をもつが、ハリモグラが背面から側面にかけてトゲに覆われているのに対して、より大柄で鼻面も長いミユビハリモグラはやわらかい毛に覆われ、トゲが少ない。そのために、両者の外見的な印象は、かなり異なっている。

体温はハリモグラで30–32程度で、寒い季節でも外気より高く保たれている。しかし体温調節機能が不完全なこともあり、猛暑時の地上では熱射病に罹りやすく[要出典]、またハリモグラは冬期には冬眠を行う。[1]

目は小さく、視覚はネズミと同程度。の穴はかなり大きいが耳介がなく、外からは見分けづらい。だが聴覚はたいへん鋭く、人間が気づかれずに近づくのは難しいと言われる[要出典]

ハリモグラ類は、細長くとがった鼻面をもち、その先端近くに、わりに大きな鼻孔がある。嗅覚も鋭く、落ち葉や下生えの中に鼻先を突っ込んで掘り返しながら食物を探すのに役立つ。は小さく、はまったくない。ハリモグラはシロアリアリ、ミユビハリモグラはミミズや単独性の昆虫を主な食物とし、細長く柔軟なでこれらの食物をなめとり、素早く口の中に運ぶ。舌は、非常に大きな唾液腺[要出典]から分泌されるねばねばしたでおおわれている。歯の代わりに、舌の奥に角質のトゲを備えたパッドがあり[要出典]、これと口蓋にある角質のおろし金のような部位とこすりあわせ、摂取した食物をすりつぶす。四肢にはそれぞれ5本の指があり、そのうちの数本には長くて丈夫ながあり、蟻塚を壊したり、ミミズを押さえたりすることに利用されるほか、毛繕いに使われる。

モグラと名につくが、モグラは真獣下綱(有胎盤類)モグラ目(食虫目) モグラ科である。同じように体が針で覆われた哺乳類でも、ハリネズミ真獣下綱(有胎盤類)ハリネズミ目ハリネズミ科ヤマアラシ真獣下綱(有胎盤類)ネズミ目(齧歯目) ヤマアラシ科とアメリカヤマアラシ科に分類される動物群であり、いずれも原獣亜綱のハリモグラ類とは特に近縁ではない。

ハリモグラ属[編集]

 src=
ハリモグラ
詳細は「ハリモグラ」を参照

ハリモグラ属(Tachyglossus)は1属1種のみで、ハリモグラ(Tachyglossus aculeatus)が属している。

ハリモグラは頭胴長30~45cm、尾長 1cm、体重2.5~5kg。オスメスより大きい。背面から側面にかけて、トゲが密生しており、これが最大の外見的特徴である。トゲは体毛が特殊化したものであり、長さは最大で50mm、基部は黄色、先端は黒色。トゲの間、また、体の下面や四肢は、黒色から淡褐色のやわらかい体毛に覆われている。

ハリモグラは、かたいの上で敵に襲われたり、物音に驚いたりしたときは、体を丸め、のイガ状になることで身を守る。一方、地面がやわらかれば、素早く(条件に恵まれれば2-3分)土を掘り下げ、地面に垂直に沈んでいき、ついにはトゲだらけの背中しか見えなくなってしまう。「ハリモグラ」という和名に反して、基本的に地上生の動物だが、短いが力強い四肢と大きな爪をもち、穴を掘るのは非常に巧みである。岩の裂け目や丸太の穴の中にもぐりこみ、爪やケヅメで触れるものにしがみつくこともあるが、一旦こうなると、この動物を地上に引っ張り出すのは、非常に困難であるという[要出典]

ハリモグラの細長い鼻面は、頭長の約半分を占め、毛はない。その先端にある口は、円筒形の舌を出し入れできるだけの幅(5mm)しか開かない。シロアリやアリをなめとる舌は、口先から最大で18cmも突き出すことができる。ハリモグラは基本的に単独で生活し、獲物の生息地の近くで暮らす。オーストラリアタスマニアに広く分布し、ニューギニア島にも生息している。半砂漠から熱帯雨林まで、海抜 0m 地帯から高山地帯まで、さまざまな環境下に広く生息する。木に登ったり、走ったりすることもでき、ときには、川を渡る姿も見られる。普通は昼行性であるが、季節により薄明薄暮性や炎暑の季節には夜行性となる。岩の割れ目などで眠り、暑さを避けるために、体を地面に埋めて眠ることもある。も嫌いで、雨が降り続いていると、何日間でもじっとしている[要出典]

オーストラリアでは、地域にもよるがにあたる6-9月が、ハリモグラの交尾期である。この時期になると、メスの腹部には育児嚢ができる。これは、腹部がくぼむと同時に、両側の皮膚筋肉のひだが大きくなって形成されるものであり[要出典]フクロネズミ目(有袋目)のものほど完全な袋状ではない。メスは約21-28日の妊娠期間ののち、仰向けの姿勢で、自分の育児嚢の中にを産む。産まれる卵は通常は1個だが、まれに2~3個のときもある。直径 14~17mm(ウズラの卵大)で、やわらかいに包まれている。卵は約10日で孵化し、生まれた子は、トゲが生えはじめるまで、そのまま育児嚢の中で生活する。母親は乳首をもたず、子は、育児嚢の前縁の近くにある乳腺からにじみ出るクリーム状のをなめて育つ。育児嚢を出た後も、約6か月間、子は母親から乳をもらい続け、生後約1年で独立して、母親のもとを離れていく。野生での寿命は最大で45年、飼育下では、最高49年が記録されている。

ミユビハリモグラ属[編集]

 src=
ミユビハリモグラの1種(Zaglossus bruijni

ミユビハリモグラ属(Zaglossus)には、現生3種、絶滅2種が属す。

現生種 Zaglossus bruijni, Z. bartoni, Z. attenboroughi は、いずれもニューギニアに分布する。

頭胴長45~90cm、体重5~10kgと、ハリモグラより大きい。灰色から黒色のトゲをもつが、このトゲはハリモグラのものよりも短く、数も少ないので、褐色から黒色の体毛の下に隠れて、目にふれないことが多い。前後肢とも、3本の指の爪が発達している。山岳地帯の森林に住み、主食とするミミズのほかに、単独性の昆虫類も食べる。下方に湾曲した、きわめて細長い鼻面は、頭長の3分の2を占める。舌には、先端から口の奥に向かって、約3分の1のところまで、1本の溝があり、その中に角質の突起が生えている。この突起でミミズをひっかけると、ミミズは頭または尾から、舌の溝にそって、ちょうど蕎麦をすすりこむようにして、長い鼻面に取り込まれる。

ミユビハリモグラ属の現生種は、従来 Z. bruijni の1種のみとされていたが、最近になって Z. bartoniZ. attenboroughi が分離されて、3種となった。なお、従来 Z. bartoniZ. bruijniシノニム(同種異名)であった。Z. attenboroughi (Sir David’s Long-beaked Echidna) はデイビッド・アッテンボローへの献名である。

ミユビハリモグラ属は、現生種のほかに2種の化石種が知られる。それらはかつて、オーストラリアとタスマニアの多くの地方に生息していたが、更新世後期までに絶滅した。現生のミユビハリモグラは、ニューギニアの高地にしか分布していない。しかしニシミユビハリモグラに関しては、1901年(明治34年)に西オーストラリア州キンバリー地域で捕獲された標本が存在することが、Kristofer M. Helgenらの研究で明らかになった。[2]化石種のうちで最も大きなものは、更新世に生息したジャイアントミユビハリモグラ Zaglossus hacketti で、頭胴長が約90cmあった。

ミユビハリモグラには、狭義のハリモグラに比べて飼育例が少ない。野外での生態についてもあまり知られていないが、だいたいのところはハリモグラに準ずるものと考えられる。野生での寿命も不明だが、ロンドンの動物園で、30年間飼育された例がある。生息の実態にも不明な点が多いが、現地ではをとるために広く狩られており、存続が危ぶまれている。IUCNレッドリストでは、EN(絶滅危惧種)に指定されている。

ハリモグラのキャラクター[編集]

参考文献[編集]

  • the Department of Primary Industries, Parks, Water and Environment. “Short-beaked Echidna”. ISBN 9781740335782
  • Egerton, L. ed. 2005. Encyclopedia of Australian wildlife. Reader's Digest ISBN 9780864491183
  • Cath Jones & Steve Parish, Field Guide to Australian Mammals, Steve Panish Publishing, 2004, ISBN 9781740217439
  • Peggy Rismiller, THE ECHIDONA, Hugh Lauter Levin Associates, 1999, ISBN 0-88363-788-X

関連項目[編集]

 src= ウィキメディア・コモンズには、ハリモグラ科に関連するメディアがあります。  src= ウィキスピーシーズにハリモグラ科に関する情報があります。
 title=
licensa
cc-by-sa-3.0
drit d'autor
ウィキペディアの著者と編集者

ハリモグラ科: Brief Summary ( Giaponèis )

fornì da wikipedia 日本語

ハリモグラ科 (Tachyglossidae)は、脊椎動物亜門哺乳綱カモノハシ目(単孔目)ハリモグラ亜目の唯一の科である。分類によっては、ハリモグラ目 Tachyglossa 唯一の科となる。

単孔目の中で、カモノハシ亜目カモノハシのみが現生)と姉妹群をなすグループである。ハリモグラ科には、ハリモグラ属のハリモグラと、ミユビハリモグラ属に属する3種の、計4種が現生である。

英語圏では Echidna (エキドナ、ギリシア神話に登場する上半身が美女で下半身はヘビという魔神)、または、Spiny Anteater (トゲのあるアリクイ) と呼ばれる。

licensa
cc-by-sa-3.0
drit d'autor
ウィキペディアの著者と編集者