ヤエムグラ(八重葎、Galium spurium var. echinospermon)はアカネ科の越年草。道端の雑草としてごく普通にみられる。種子はひっつき虫の性質も持つ。
華奢な越年草。茎には節があり、節ごとに狭い倒卵形の葉を8枚ほど輪生する。 茎には下向きの棘があり、他の植物に寄りかかり、棘を引っ掛けながら立ち上がる。衣服などに付着するので、これを切り取って服に付ける子供の遊びがあった。また、果実には鉤状の毛が生えており、これも衣服などに付着する。これは種子散布に関係するものと思われる。
万葉集で和歌に詠まれた「やえむぐら」とは、本種を指している言葉ではなく「『むぐら』と総称される各種の雑草」もしくは「それらがよく茂った状態」のことである[1]。 また、小倉百人一首にも収録されている恵慶法師の作品、
八重むぐら しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり
に詠われている「八重むぐら」は、秋に繁茂するアサ科のカナムグラであると思われる[1]。