トウヤクリンドウ(当薬竜胆、学名:Gentiana algida)はリンドウ科リンドウ属の多年草の高山植物。
高さは10~25 cm。花期は8~9月上旬。茎の先に長さ3~4cmの花を2~3個つける。花は淡い黄色なのが特徴的であり、花弁には緑色の斑点がある。花は日が当たらないと開かない。茎葉は対生し、長さ2~5cmの披針形~長楕円状披針形である。学名の「algida」は「寒冷な」を意味する[2]。ドイツ人の植物学者のペーター・ジーモン・パラスが1789年に、学名を命名した[1]。
和名のトウヤク(当薬)は薬草になるセンブリのこと。トウヤクリンドウも胃薬になることから付けられた。
北アジアから北米にかけて分布し、日本では北海道~中部以北の高山帯の砂礫地や草地に生える[2]。基準標本はシベリア東部などのもの[2]。田中澄江が『花の百名山』の著書で槍ヶ岳を代表する花の一つとして紹介した[3]。
石川県でレッドリストの絶滅危惧I類、新潟県で危急種(絶滅危惧Ⅱ類)、北海道で準絶滅危惧の種に指定されている[6]。