ショウジョウヒワ(猩々鶸、Carduelis cucullata)は、スズメ目アトリ科ヒワ属に分類される鳥類。
全長10cm。
オスの成鳥は頭部が黒、背中や肩羽が赤、腰がピンクがかったオレンジ色、尾羽基部(上尾筒、下尾筒)が赤みがかったオレンジ色の羽毛で覆われる。尾羽の色彩は黒い。雨覆は黒く、外縁(羽縁)は赤みがかったオレンジ色。風切羽は赤みがかったオレンジ色。メスの成鳥は全身が灰褐色の羽毛で覆われる。頭頂から後頸、肩羽に暗色斑が入り、胸部や腹部、腰は赤みがかったオレンジ色。
標高280-1,300mにある森林や林縁、その周辺にある草原や牧草地に生息する。単独もしくはペアで生活する(以前は大規模な群れを形成して生活していた)。
高木の樹上にお椀状の巣を作り、5-6月と11-12月に卵を産む。
カナリアとの属間交配により赤みの強いカナリアの作出やオレンジ色の系統の維持が試みられていたが、属が異なることから交配が難しいとされ、交配した個体も単に赤みを帯びる程度に過ぎない。しかしそうして得られた雑種は今日もペットショップの店頭においてよく見かけられる。
開発による生息地の破壊、ペット用の乱獲により生息数は激減している。ベネズエラでは法的に保護の対象とされているが、密猟されることもある。また飼育下繁殖個体の再導入に対する感染症蔓延の懸念や、生息地の住民に対する保護の啓蒙活動による捕獲圧の増加などの問題がある。トリニダード・トバゴやプエルトリコにも人為的に移入された個体群がいたが既に絶滅(前者は1960年、後者は1982年以降発見例がない)している。1981年における生息数は600-800羽と推定されているが、同時期に年に1,000羽の捕獲例があるため過小評価と考えられている。
ワシントン条約附属書I記載種なので取引には厳しい流通規制があるが、飼育下繁殖個体や雑種はその対象外であるため、欧米では累代飼育された個体や、ゴシキヒワやカナリアとの雑種がペットとして多数流通している。ただし日本では雑種個体を除き、ほとんど見かけることはない。またアメリカではそれら飼育下繁殖個体を再野生化に用いる動き[1]もある。