ウミケムシ(海毛虫)とは環形動物門ウミケムシ科に属する生物の総称である。ゴカイと同じ多毛類である。日本では特にChloeia flavaをウミケムシと称することが多い。この他、ハナオレウミケムシ、セスジウミケムシ、セナジリウミケムシなどが知られている。本項では主にChloeia flavaについて解説する。
体の側部に体毛を持ち、警戒すると毛を立てる。この体毛が毒針となっており、人でも素手で触れると刺されることがある。刺さると毒が注入される構造なので、毒針を抜いても毒は残る[1]。刺された際にはセロハンテープ等で毒針をそっと取り除き、流水で洗い流す[2]。
Chloeia flavaは本州中部以南、太平洋南西部、インド洋に分布する[3]。比較的暖かい海を好み、京都府の宮津湾辺りにも多い。山形県で発見された例もある[4]。
海底の砂の中に潜っていることが多く、頭部のみを砂上にのぞかせていることもある[5]。夜は海中を泳ぐ[2]。泳ぐ速度は比較的速い。肉食であり、オキアミ程度の大きさであれば丸飲みすることもできる[6]。投げ釣りの際に外道としてかかることがある[7]。ただし捕食のために積極的に行動することは少なく、餌を時々動かせば掛からないことが多い。
海中生物を飼育していると個体が偶然混入して、水槽内で大繁殖することがある。増殖速度が比較的速いため、完全駆除には時間がかかる[8]。
ウミケムシ科はかつて遊在目に分類されていたが[3]、今では見直しが行われている。研究者によっても異なり、ウミケムシ目とされることが多い。ウミケムシ科の生物は、100種以上が知られている。
ウミケムシ(海毛虫)とは環形動物門ウミケムシ科に属する生物の総称である。ゴカイと同じ多毛類である。日本では特にChloeia flavaをウミケムシと称することが多い。この他、ハナオレウミケムシ、セスジウミケムシ、セナジリウミケムシなどが知られている。本項では主にChloeia flavaについて解説する。