Kinixys belliana natalensis
Mertens & Wermuth, 1955
ナタールセオレガメ(学名:Kinixys natalensis)は、リクガメ科セオレガメ属に分類されるカメ。
種小名natalensisは「ナタール産の」の意で、和名や英名と同義。
スワジランド、南アフリカ共和国(クワズール・ナタール州東部、ムプマランガ州北東部、リンポポ州東部)、モザンビーク南部
最大甲長16cmとセオレガメ属最小種。オスよりもメスの方がやや大型になる。背甲はややドーム状に盛りあがり、上から見ると幅広い。項甲板は細長い。椎甲板は縦幅よりも横幅の方が長いが、第1椎甲板は縦幅と横幅がほぼ等しくなる個体もいる。第4-5椎甲板にはあまり発達しない瘤状の盛りあがり(キール)がある。縁甲板は左右に12枚(まれに13-14枚)ずつあり、左右の第12(13-14)縁甲板は癒合しない。後部縁甲板は弱く鋸状に尖る。背甲の蝶番は発達せず、縁甲板のみ蝶番がある。背甲の色彩は孵化直後からある甲板(初生甲板)や外縁は黄色がかったオレンジ色で、初生甲板や外縁の周辺は黒や暗褐色。腋下甲板は小型で、左右に3枚ずつある。喉甲板はあまり前方へ突出しない。左右の喉甲板の横幅は、左右の喉甲板の継ぎ目の長さ(間喉甲板長)の2倍以上。腹甲の色彩は黄色で、初生甲板周辺に不規則な放射状の斑紋が入る。
頭部は中型。上顎の先端は鉤状に尖り、その両脇も突出する。前額板は左右に1枚ずつあり、額板は1枚。前肢の爪は5本で、後肢の爪は4本。後肢の踵には大型の鱗がある。頭部や四肢、尾の色彩は褐色や黄色。
幼体は椎甲板のキールがやや明瞭。背甲の色彩は淡黄色や暗褐色で、外縁のみ黄褐色。成長に伴いキールは第4-5椎甲板を除いて消失し、背甲の色彩も変化する。
オスの老齢個体は背甲の斑紋が消失する。オスは腹甲中央部がやや凹み、喉甲板がより分厚く突出する。
標高300-1,000mにある草原などに生息し、低木や藪、岩が点在する環境を好む。
繁殖形態は卵生。
ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。流通量はまれ。本種の名前で別種スピークセオレガメが販売される事も多い。テラリウムで飼育される。飼育は難しいとされる。