Pomatochelidae T. R. R. Stebbing, 1914
ツノガイヤドカリ科 (Pylochelidae) はヤドカリの科の一つ。北極・南極を除くほぼ全世界の海洋にみられ、水深2000メートル以浅に生息する[2]。海底の住処に隠れていること、比較的希少であることから、400の標本を詳述したモノグラフが1987年に出版されるまで、およそ60個体程度しか得られていなかった[3]。英語では一般的に"symmetrical hermit crabs"(左右対称のヤドカリ)と呼ばれる[4]。
他のヤドカリと異なり、真っ直ぐな腹部と左右同数の付属肢を持つため、外見は左右対称である。また、腹部は他のヤドカリでは軟らかいところ、本科では部分的に石灰化している。この2つの特徴から、Edward J. Miersが本科最初の種を記載した時には、本科は"異尾類"(ヤドカリ)と"長尾類"(エビ)をつなぐ分類群であるとされた[5]。この腹部のため、巻貝の殻(英語版)を住処として用いることは少なく、木片・岩・ツノガイの殻[6]・海綿[2]・竹やマングローブの破片[6]などを用いる。鋏は住処の口を閉じる蓋になるように適応していることが多い[6]。
科全体としての分布域は広いが、その多様性はインド太平洋に偏っており[5]、大西洋からは4種(Cheiroplatea scutata, Pylocheles agassizii, Bathycheles cubensis・Mixtopagurus paradoxus)しか報告がない。北極・南極には生息しない[4]。100-2200mの深さから採集記録があるが[3]、通常は200-500mに生息する[2]。
ツノガイヤドカリ科 (Pylochelidae) はヤドカリの科の一つ。北極・南極を除くほぼ全世界の海洋にみられ、水深2000メートル以浅に生息する。海底の住処に隠れていること、比較的希少であることから、400の標本を詳述したモノグラフが1987年に出版されるまで、およそ60個体程度しか得られていなかった。英語では一般的に"symmetrical hermit crabs"(左右対称のヤドカリ)と呼ばれる。