サンシュユ(山茱萸、学名:Cornus officinalis Sieb. et Zucc.)は、ミズキ目ミズキ科の落葉小高木。ハルコガネバナ、アキサンゴ、ヤマグミとも呼ばれる[2]。季語は春。
中国及び朝鮮半島の原産地に分布する。江戸時代享保年間に朝鮮経由で漢種の種子が日本に持ち込まれ、薬用植物として栽培されるようになった[3]。日本では観賞用として庭木などにも利用されている[4]。日当たりの良い肥沃地などに生育する[5]。
高さ3-15 mになる落葉小高木。樹皮は薄茶色で、葉は互生し長さ4-10 cmほどの楕円形で両面に毛がある[6]。
3月から5月にかけ[1]、若葉に先立って4枚の苞葉に包まれた、花弁が4枚ある鮮黄色の小花を木一面に集めてつける。花弁は4個で反り返り、雄しべは4個[7]。夏には葉がイラガやカナブンの食害を受ける。晩秋に付ける紅色楕円形の実は渋くて生食には向かない。
内部にある種子を取り除き乾燥させた果肉(正確には偽果)は生薬に利用され、「サンシュユ」の名で日本薬局方に収録されており[4]、強精薬[4]、止血[8]、解熱作用[要出典]がある。果肉は長さ1.4 cm程の楕円形[6]。牛車腎気丸、八味地黄丸等の漢方方剤にも使われる。
温めた牛乳にサンシュユの枝を入れ、保温して一晩置くとヨーグルトができる。ブルガリアにはヨーグルトの木と呼ばれる木があり、サンシュユはヨーグルトの木の親戚にあたるため、実際に同じようにヨーグルトを作れる。
山茱萸の音読みが、和名の由来である[2][9]。早春、葉がつく前に木一面に黄色の花をつけることから、「ハルコガネバナ」とも呼ばれる[1]。秋のグミのような赤い実を珊瑚に例えて、「アキサンゴ」とも呼ばれる[2]。