クサソテツ(草蘇鉄、英:Ostrich fern、学名:Matteuccia struthiopteris)とは、イワデンダ科(分類によってはメシダ科Woodsiaceaeに分類される)の多年生シダの一種。別名コゴメ、カンソウ、ガンソウ。若芽はコゴミ(屈)といい山菜のひとつである。日本各地、中央ヨーロッパおよび北ヨーロッパ、北米大陸の北東部に自生する。また観葉植物として庭に植えられることも多い。
落葉性の多年生草本。根茎は太く直立し、周囲に古い葉柄の基部が集まる。また地下に匍匐茎を出し、その先に新しい株を作る。葉には栄養葉と胞子葉の区別がある。栄養葉は春に出て鮮緑色で美しく、草質で柔らかい。長さは1mに達し、単羽状複葉。側羽片は30-40対に達し、中程より先端よりのものが一番長く、それより先では急に短くなる。根元に向けては次第に短くなり、葉柄は短い。胞子葉は栄養葉の束の内側に出て、栄養葉より短くて60cmほど。単羽状だが羽片はごく幅狭く、裏面の胞子嚢群を包むように巻き込む[1]。
標準和名は草蘇鉄である。太く直立する根茎やその先端から広がる葉の様子がソテツを思わせる草本であることによる。
ココミ、またはコゴメは山菜としての名として用いられる。これは、先端が巻き込んだ若葉の姿がかがんでいるように見えること、それに食用に出来る実質的な部分があるので「ミ」とするものだという。
また、別にガンソクという異名がある。これは雁足の意味で、株の様子が鳥のガンの足のようであるからという。ちなみに近縁の別種にイヌガンソクがあり、これは本種に似ていることによる[1]。ただし、これに関しては異論もある。
ワラビ、タラノメ、独活等とともに日本人には古くから馴染み深い山菜のひとつである。5月上旬から6月中旬に渦巻状に丸まった幼葉を採取し、おひたし、サラダ、ゴマ和えなどの和え物、天ぷらなどにして食べる。ワラビほど強くない独特の「ぬめり」があり、ゼンマイなどと違ってアクがないため調理が容易である。少量であれば生でも食せるが、大量に食べると腹が下りやすくなる。
比較的陽当たりの良い斜面などを好み、大抵は群生しているため収穫が望める山菜でもある。林の中にはほとんど生えず、山道の道端や崖の下など水はけがよく湿った場所に生える。草が生える前に出揃うので収穫も容易である。成長が非常に早く、その場所ごとに収穫期間が短く限られるため、こまめに下見を行なった方が良い。
日本では食用として促成栽培もされている。
クサソテツ(草蘇鉄、英:Ostrich fern、学名:Matteuccia struthiopteris)とは、イワデンダ科(分類によってはメシダ科Woodsiaceaeに分類される)の多年生シダの一種。別名コゴメ、カンソウ、ガンソウ。若芽はコゴミ(屈)といい山菜のひとつである。日本各地、中央ヨーロッパおよび北ヨーロッパ、北米大陸の北東部に自生する。また観葉植物として庭に植えられることも多い。