ウマヅラハギ(馬面剥、学名:Thamnaconus modestus)は、フグ目カワハギ科に属する魚。
北海道以南の日本近海から東シナ海、南シナ海にかけての海域に生息する。
体長25cmで、体型はカワハギに比べるとやや細長くなる。体色はやや薄い青灰色だが、個体差がある。鰭は緑青色。また、後頭部に一本の大きなトゲがある。顔面は長く、馬の顔を連想させることから馬面のカワハギ、略してウマヅラハギの名になった。
カワハギよりやや沖合の深場に生息。海底から中間層を群れで泳ぐ。また、ヘドロなどの悪条件への適応力が強いため、時折大発生することがある。産卵は6-7月ごろ。雑食性でなんでも食べるが、特にクラゲが好物で、中間層を浮遊するエチゼンクラゲなどの巨大クラゲを集団で襲って強力な歯で剥ぎ取って食べることに特化した生態をしている。2009年から2010年にかけて福井沿岸のエチゼンクラゲの大発生に伴って大量に発生した。
本種は食用となり、肉質はクセが少ない白身で、脂肪分は約0.2%で低カロリーである。そのため、味はカワハギに比べるとやや劣るとされる。カワハギよりやや身が固く、肝はやや大きい。肝臓の部分は、ポン酢醤油で生食すると美味。他には、煮付け、刺身、ちり鍋、みりん干しなどの調理法がある。
漁獲方法は底引き網、定置網などの方法が一般的だが、マダイ釣りの外道として釣れることも多い。釣りでは、餌取りが上手いので嫌がられることがある。 また、網漁でも、棘が網に絡んで破れることがあるため嫌われていたが、近年では需要の増加により、かつてほどは嫌われなくなってきている。
鳥取県ではウマヅラハギを捕獲する「カワハギ網」という専用の網を用いたカワハギ網漁業が行われている。中央の餌袋にオキアミまたはクラゲを括り付けると、ウマヅラハギが集団で網の中にやってくるのでこれを捕獲する。
カングリ(秋田県男鹿半島付近)、コウグリ(新潟)、ゲンパ(千葉)、コウゴリ、バクチコキ(富山)、ウマヌスト(三重)、こきめんぼう(浜田・下関)、オキアジ(鳥取)、ツノギ(岡山)、ハゲ(広島)、ウマヅラハゲ、だいなんはげ(和歌山)。