タマアジサイ(玉紫陽花、学名: Hydrangea involucrata)は、アジサイ科アジサイ属の1種の落葉低木。
東北地方南部(福島県)、関東地方、岐阜県までの中部地方の林地に自生する[1][2]。
山地の沢沿いや、やや湿った林縁、道路法面などに自生する。
高さ約1.5メートル程度。
葉は長さ10–21センチの楕円形で先がとがる[1]。葉や幹など全体に短毛が生えており、ざらつく[2][1]。葉に葉柄があり、枝に対生し、葉の形は楕円形から倒卵形で、大きいもので長さ25cm、幅14cmほどになる。縁は細かい鋸歯状になり、葉の表面、裏面ともざらつく。
装飾花は大きさ20–32ミリで白色、両性花は大きさ2–5ミリで紫色であり[1]、花序は直径10–15センチである[1]。つぼみの大きさは径1.5センチ、長さ1.2センチ程度で、開花に従い包んでいた苞(ほう)は落ちる[1]。山地で自生する場合、花は8–9月に咲くが[1]、平地で栽培しているものは6–7月ごろに咲き始める[2]。
花期は7月から9月で、苞に包まれ玉状になった蕾が裂けるように開花し、淡紫色の小さな両性花の周りに花弁4枚の白色の装飾花が縁どる。
アジサイ属タマアジサイ亜節 Asperae + バイカアマチャ属 Platycrater からなる系統に属し、その中でおそらく最初に分岐した[3]。
かつてタバコの代用品や混ぜものとして使われ、「ヤマタバコ」の別名がある[2][4]。