イトヒキフエダイ(糸引笛鯛、Symphorus nematophorus)は、スズキ亜目フエダイ科の海水魚の一種。イトヒキフエダイ属に属する唯一の種。沖縄ではイヌバーと呼ばれる[1]。
西太平洋の亜熱帯、熱帯域に分布[1]。稚魚、成魚ともに珊瑚礁、岩礁に生息する[1][2]。日本では、高知県、琉球列島沿岸に見られる[2]。
肉食性で、口に入る小動物なら何でも食べる[1]。
全長約1mで、体高は比較的高い[1]。本種は和名の通り糸を引くように背鰭の第3-第6軟条が伸びる[2]。頭部背縁は丸く、体色は赤い[2]。尾柄上部に黒色円斑はなく[2]、腹鰭、臀鰭および尾鰭の下縁は黄色[1]。また背鰭は10棘13-14軟条、臀鰭は3棘8軟条[1]。
生時は頭部と体側に青色縦線が8-12本あり、固定後は暗色に変化する[1]。
本種は食用となり、美味しいとされる[2]。
老成魚からはシガテラ中毒が報告例があり[2]、大型個体を利用する際は注意が必要である。