コマイ(氷下魚、学名 Eleginus gracilis、英語: Saffron cod)は、タラ目タラ科に属する魚類。カンカイ(寒海)とも呼ばれる。マダラ・スケトウダラと並び、日本近海に生息するタラ類の1つ。
体長によってゴタッペ(幼魚)、コマイ、オオマイ(大型魚)と呼び名を変える場合もある。熟字訓氷下魚の由来は厳冬期に氷を割って漁獲(氷下待ち網漁)したことから。
アイヌ語ではコマイ(komay)またはカンカイ(kankay)、ニヴフ語ではカンギ(qaηi)と呼ばれる。ロシア語ではвахня(ヴァフニャ)などと呼ばれる。
黄海、日本海、オホーツク海、ベーリング海を含む北太平洋に分布し、水深200mより浅い海に生息する。
記録では、最大のもので全長55cm・体重1,300g[1]。3基の背鰭と2基の臀鰭を持つタラの仲間だが、下顎より上顎が前に突き出ていて、下顎にあるひげが短いことでマダラやスケトウダラと区別できる。
夜行性で群を作る。
12月後半から2月下旬が旬だが、夏にも釣る事が可能である。日本では主に北海道で漁獲され、干物や魚肉練り製品の材料となる。もっぱら干物にはやや小さめのものを用い、頭とワタだけ取った1匹丸ごとのものと、開いたものがある。稀に生のものが流通している。
干物はそのまま酒肴として、または軽くあぶってマヨネーズ、醤油、七味唐辛子などをつけて食べる。また、金槌で叩いておくと食べやすいという。ただし匂いに少々癖がある。1匹ものはかなり硬いのが通例で、皮と骨をむしり取った身をよく噛めば美味であるが、歯が丈夫でない人はそのまま食すのは避けた方が無難。身や骨が指先に刺さり、血が出ることもしばしばある。一晩水に浸け、そのまま軽く沸騰させて(蓋は開けて干物臭を煮飛ばす)から焼けば、かなり食べやすくなる。水には出汁が出るので、味噌汁などに使う。
最近では、一夜干し・生干にして食べやすくしたものも作られている。北海道のコンビニエンス・ストアでは調味料と共にパックされ、販売されており、また、通販でも売られている。干物は骨まで食べられるが、一夜干しの骨は少し硬い。